「Graphic Grand Prix by Yamaha」
初代グランプリと特別賞が決定

ヤマハとヤマハ発動機の両社が初めて、総合的なグラフィックコンテスト「Graphic Grand Prix by Yamaha」を開催した。ヤマハブランドのルーツである故・山葉寅楠によるヤマハ創業から125周年にあたる今年、両社それぞれが重視してきたデザインへの新たなアプローチとして、グラフィックに特化した作品を募集し、クリエイターの発掘・育成に寄与するとともに、ヤマハブランドの価値向上を図っていくというものだ。

審査委員長の日比野克彦。

本コンテストのプロデューサーであり、審査委員長を務めた日比野克彦は、募集テーマを「存在。」と設定。2次元(=面)の静止したアートワークであれば、ジャンルを問わずあらゆる表現を認め、ただし、提出形態をデジタルデータに限定して募集した。全1,585作品から一次および二次審査を経て、7作品が入選となり、去る12月14日には新宿パークタワーホールにて、最終審査と表彰式が行われた。

グランプリを受賞した楠 陽子さんの「触覚の視覚化」。

当日は、作家本人がまず簡単な作品紹介を述べた後、日比野審査委員長はじめヤマハとヤマハ発動機両社長およびデザイナーによる最終審査を実施。その結果、楠 陽子さんの「触覚の視覚化」が初代グランプリに決定した。また、事前にFacebookやtwitterなどのソーシャルメディアを使って作品を公開しており、そこで反響の大きかった松田雅史さんの「9,332km遠くの人 15.09.2012〜15.08.2012」が特別賞・オーディエンス賞に、そして審査委員長が注目した森未央子さんの「フランジ」が特別賞・日比野克彦賞に選出。

トロフィーを手にするグランプリ受賞の楠 陽子さん。

各受賞者には、ヤマハとヤマハ発動機両社のデザイナーが共同で制作に取り組んだオリジナルの「ハイブリッドトロフィー」が授与された。受賞作品はすぐに、両社の製品デザインに採用されるというよりも、これからの展開を探っている状況だ。継続した開催とともに、受賞作品と作家の飛躍に注目していきたい。次回ではグランプリほか入賞作品について詳しくレポートする。(文/高橋美礼)

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