「NUNO 世界から注目される日本発のテキスタイル」
ーーAXISビル ショップインタビュー

第3回は、アクシスビル地下1階にショップを構えるNUNO。自らデザイナーとしてこだわりのテキスタイルをつくりながら、ショップを支えてきた、店長の上野和広さんにインタビューしました。

NUNOのこれまでの主な活動について教えてください。

1984年にアトリエとともにアクシスビルにショップをオープンしました。今年で31年目になります。NUNOは、海外の美術館を発表の場として、数多くの展覧会を行ってきました。1998年のニューヨーク近代美術館(MoMA)での展覧会をきっかけに、「日本のNUNO」という名前が口コミで美術館関係者やデザイン関係者を中心に広がっていきました。そういう方々は、NUNOのつくるテキスタイルを、製品というよりもアートや美術品として評価してくださっています。また、MoMAでの展覧会は、アメリカ国内をはじめ世界各国を巡回したので、それをご覧になった方々が「東京のNUNO」というショップを自ら探してわざわざ来てくださったりもしました。NUNOが生み出した作品は、ほかにも、メトロポリタン美術館や東京国立近代美術館工芸館など、多くの美術館に200点ほどが永久収蔵されています。

製品づくりについてのこだわりを教えていだだけますか。

NUNOがつくっているテキスタイルは、手作業による伝統工芸のような高価なものではなく、また大量生産されるものでもありません。工場の機械で織る工業製品を基本にしています。また、ほとんどのテキスタイルは、日本国内で生産しています。日本には、伝統的な技を伝承する素晴らしい職人がいます。私たちがほかにない、面白いデザインのアイデアを持っていても、それをテキスタイルに実現させる職人がいなければ製品にはなりません。そういった方々に支えられ、テキスタイルづくりを続けています。

またNUNOは、「つくった人が売る」というのがコンセプトです。そのテキスタイルをつくった人が売らなければ何の意味もありません。デザインは、スタッフそれぞれが考えた案をディレクターや周りのスタッフに見せて意見を求めます。何度となく議論を交わし、ほかにはない面白いデザインであれば製品化します。そこまでの道のりは決して簡単なものではありませんが、自分のデザインをショップに出すチャンスがあります。だからこそ、自分が良いと思い、つくった製品を、自分がお客さまに直接説明して売るというスタイルにこだわっています。私たちにとって、お客さまからご意見をいただくことは、テキスタイルづくりを進化させるための貴重な機会だと言えるのです。

お客様にメッセージをお願いします。

NUNOは「用途を求めない」という考え方でテキスタイルづくりを行っています。大量生産のテキスタイルは機能を求められます。私たちがつくるテキスタイルは、今まで機能を限定した製品を使ってきたけど、何かもっと面白いものはないかと考えている方に向いていると思います。使ってみて、手間もかかるが愛着が湧いたり、触っていると楽しさを感じたりするテキスタイルです。もちろん、ベージックな製品も取り揃えていますが、ほかにない好奇心をそそられるテキスタイルにご興味ある方に、ぜひお越しいただけたらと思います。

今後展覧会の予定はありますか?

今、フランス・パリのギメ東洋美術館で「Flot de carpes – Koï Current」という展覧会を5月19日から8月31日まで開催しています。まだ日にちもありますので、パリへ行く機会がありましたら、多くの方に観ていただきたいと思います。

ギメ東洋美術館「Flot de carpes – Koï Current」展より 会場デザイン/アドリアン・ガルデール

NUNOはテキスタイルの企画、製作、販売を一貫して行っています。クッション、ストール、服などの販売のほかに、お好みのテキスタイルを選び、各種オーダーも可能です。自分だけの1品をつくってみてはいかがですか。アイテムはスタッフにご相談ください。こだわりのテキスタイルショップ、NUNOにぜひお越しください!

NUNO
営業時間 11:00〜19:00 祭日11:00〜18:30
定休日 日曜
連絡先 Tel. 03-3582-7997
ホームページ http://www.nuno.com

この連載では、東京・六本木のアクシスビルのショップの皆さんにお店のコンセプトについて語っていただきます。前回までの記事はこちら