AXIS174号より、特集
「ロボットデザインの未来動向」

現在発売中のAXIS174号の特集は「ロボットデザインの未来動向」。日本では成長戦略の大きな柱とされる「ロボットによる産業革命」ですが、世界ではさまざまな分野でロボット技術の開発とその活用が進んでいます。ヒューマノイドや産業ロボットに止まらず、無人機による商業輸送や自動運転車など、かつてのロボットのイメージを超えた多様な姿。これらのロボット技術をわれわれ人間はいかに受け入れ、発展させていくのか。本特集では、その最先端の動きとともに、デザインの関わり方を探っていきます。

ロボットフロンティアー多様化する仕組みとその形
すでにコンピュータが、それとは意識されないかたちで身近にあるさまざまな製品の中に組み込まれているように、今後はロボットも、大半の人々が抱くイメージとは別のかたちでわれわれの日常や社会の中で、ごく当たり前の存在となっていくことが予想される。ここでは、まず、実際の製品あるいはワーキングプロトタイプとして存在しているロボットの多様性を紹介し、この分野がどこに向かおうとしているのかを概観する。

未来のロボットの姿とは?
SRIロボティクス・プログラム・ディレクター リッチ・マホーニー インタビュー

コンピュータのマウスやSiriの元になった音声認識とAI技術をはじめ、前例のない技術の開発を推し進めてきたスタンフォード・リサーチ・インスティテュート(SRI)インターナショナル。手術ロボット「ダヴィンチ」もここでの技術から生まれるなど、ロボット分野においても最先端を行く同研究所のロボティクス・プログラム・ディレクター、リッチ・マホーニーにロボット開発のこれからについて聞いた。

米国製ロボットの進化事情
社会で活躍を始めたロボットたち

米国では今、ロボットへの関心がひじょうに高まっている。センサー技術が発達して価格も安くなり、またコンピュータ画像分析技術なども進んだ。SFに出てくるようなヒューマノイドボットはまだ出現しないが、ロボット技術は着実に進化している。ここでは米国の最新事例をいくつか紹介しよう。

ロボットの真髄を刻み付けるために
クーカ・ロボター社

欧州の産業用ロボット市場でトップシェアを誇るドイツの「クーカ」。クーカ・オレンジのオーガニックなロボットなしには、ドイツの自動車産業もあり得ない。インダストリアルデザイナー、マリオ・セーリッチとの20年にわたるコラボレーションで、他の追随を許さない産業用ロボットのデザイン開発を成し遂げてきた。南ドイツの古都アウグスブルクにあるクーカ・ロボターの本社を訪問。セーリッチとマーケティング・ディレクターのアンドレアス・バウアーに話を聞いた。

ロボットとのユニークな関係性を
スフィロ社のロボティック・トイ

球形のロボットは、シンプルかつ完璧な形態のマシンとして、SF映画やアニメなどに登場する。しかし、現実には研究室などで試作されても、市販に至るケースは少ない。まして、コストや用途の点から大量に普及させることなど不可能と思われたなかで、一般ユーザーはもちろん、教育現場にまで浸透させたメーカーがある。米国はコロラド州のボルダーから、斬新なコンセプトのロボティック・トイを発信しているスフィロ社がそれだ。その共同創立者でCTO(最高技術責任者)のイアン・バーンスティンに、同社の取り組みについて聞いた。

「未来の雇用」をマシン・エンジニアリングから考える
オックスフォード大学マイケル・A・オズボーン

オックスフォード大学の若き准教授、マイケル・A・オズボーン博士が、カール・ベネディクト・フライ研究員と共著で発表した論文「未来の雇用」が世界に衝撃を与えている。副題に「いかに仕事はコンピュータ化されていくのか?」とあるように、米国労働省が定めた702の職業をクリエイティビティ、社会性、知覚、細かい動きといった項目ごとに分析し、結果、米国の雇用者の47%が10年後に職を失うと発表。それぞれの職業の消滅パーセンテージと順位までを示した。昨秋発表して以来、最もメディアの取材が多い国が日本であるという。

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