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森田直 著『日々、蚤の市 古民藝もりたが選んだ、ちょっと古くて面白いもの。』

『日々、蚤の市 古民藝もりたが選んだ、ちょっと古くて面白いもの。』
森田 直 著(青幻舎 3,200円+税)

著者は、東京・南青山に「古民藝もりた」を構えて45年になる店主、森田 直。氏が内外の蚤の市で見つけた暮らしの道具、約320点を収録している。

まえがきに、「骨董市場の形態も大きく変わりました」とある。老舗の骨董業者が集まる美術倶楽部の活動は依然としてあるが、一方で、かつての古美術品のカテゴリーに収まらないものを追い求めている人が増えていると。

本書に載るのは、囲炉裏の上に吊るす「空鉤(そらかぎ)」や九州・筑前の「狛犬」、インドの刺し子「カンタ」、帯芯として使われていた江戸の「手拭い」、両替商の「車箪笥」のほか、台所で使われていた鍋や釜、おろし金などさまざま。

そのどれもに、例えば「蚤の市のおばさんは『土瓶敷だ』と言っていたが、私の心のなかでは『両替屋の看板だ』」というように短いエピソードが綴られ、暮らしなどが想起できる点でも大変興味深い。

以下、目次より。

01 素材 木のもの、鉄のもの、紙のもの、ガラスのもの、石のもの
02 工芸 懐古の空気、ちっちゃい、おもちゃ、 ほか
03 暮らしの形 やきもの、容れもの、鍋・釜、おろし金、BOX、編組品
04 神さま、仏さま 

写真は高安和実、アートディレクションはUMA/design farmの原田祐馬。
A4変型、ソフトカバー、228ページ。