だんだんと過ごしやすくなってきたかと思ったら、すぐに初夏の陽気と梅雨の時期ですね。ここナレッジキャピタルはこれからの雨や猛暑の日でも過ごしやすい、おでかけにもピッタリの施設です。連載15回目にして初めてクローズアップするのは、「The Lab. みんなで世界一研究所」。
「The Lab.」の白い文字がひときわ目を引くこの施設は、ナレッジキャピタルの数ある施設の1つですが、その「The Lab. みんなで世界一研究所」の中でも2階と3階にある「Active Lab.」をご紹介します。Active Lab.では、企業や大学、研究機関などが研究成果や試作品を展示しており、自由に見て触って体験することができます。今回は2階の関西大学による最新展示と、オープン当初からのデジタルファッションの展示をご紹介します。
この春から始まった関西大学の展示は、高精細でデジタル化した大正時代の大阪の地図「大阪古地図」と、江戸時代の画家、大岡春卜(おおおかしゅんぼく)による「浪花及澱川沿岸名勝図巻」です。どちらも見たい部分を拡大してじっくり見ることができます。歴史好きの私はこういうのが大好きなのですが、今回は仲間のコミュニケーター、りゅうちゃんに触ってもらいました。さっそく古地図でこのナレッジキャピタルがある「うめきた」のあたりを探してみると…
意外と昔から学校が多い土地だったのがわかります。今よりも大阪駅に近いところに、現在の金蘭中学・高校にあたる「金蘭女学」という学校があります。ちょっと離れた大阪駅の東側には大きな施設があり、監獄署となっています。位置的には大阪市北区役所や扇町公園のあたりでしょうか。さらに、この監獄署に隣接する川の形、見覚えがあると思ったら、阪神高速とピタリ一致しています。大正時代から家やビルが立ち並んでいた大阪の街に、高速道路を建設しようと思ったら、川の上に建設するのがいちばん土地を工面しやすかったのかな?とか、こうすることで輸送手段を舟から自動車に置き換えやすかったのかな?などと想像してしまいます。いやぁ、本当に歴史好きにはたまりません。
大岡春卜の絵巻物では、澱川(淀川)流域を京都から大阪湾まで描いています。江戸時代の巻物だけに、文字を読むのも一苦労。
でも、はっきりと読める文字を見つけました。数百年経った今でも同じ地名があるのにちょっと感動です。ぜひ、皆さんも知っている場所や縁のある場所を探してみてください。意外な発見があるかも!?
さて、もう1つはデジタルファッション株式会社の、「バーチャルフィッティング」というシステム。これは現実の映像に仮想の映像(CG)を重ね合わせることができるシステムで、現実の人の動きに合わせて服のCGが動くというものです。またまた、りゅうちゃんにモデルになってもらいました。
同じようなシステムが過去にドラマに登場したこともあって「前に、ドラマで見たことあるよ!」という声もよくいただく、Active Lab.のオープン当初からある人気の展示なのですが、実は中身の改良を繰り返していて、操作がやりやすくなったり、子供でも体験できるようになったり、服の種類が入れ替わっていたりします。一度体験された方も、また来場された際にはどこが変わったかチェックしてみてください。デジタルファッションはその他にも、体型を3次元スキャンするシステムや、布地の図柄を好きなように合わせて自分だけのオーダーメイド服をオンラインで発注できる「ファッションオンデマンド」の実現に取り組んでいます。
展示されているもののほとんどは、製品になる前のものですが、皆さんに知ってもらい、触れてもらい、さまざまな反応やご意見をいただいて開発に反映し、さらに良いものにしていく。その舞台となる場所が「Active Lab.なのです。近い将来の仕事や遊び、生活全般についての可能性を自然に感じ取って、楽しんでいただけます。もちろん、老若男女どなたでもお越しいただけます。
施設の「みんなで世界一研究所」という名前には、研究者やスタッフだけでなく、ここに来て楽しんでいただいた皆さんも含めて、みんなで世界一のモノやサービスを生み出していこうという想いがこめられています。全力で楽しめて、遊びながら知的好奇心を育むことができる施設、ナレッジキャピタルにぜひ遊びにきてください。(文/コミュニケーター PAPA中山)
この連載は、ナレッジキャピタルのコミュニケーターの皆さんに、ナレッジキャピタルとその周辺についてのさまざまな話題を提供していただきます。