AXIS180号は3月1日発売です。

カバーインタビュー 落合陽一(メディアアーティスト、筑波大学図書館情報メディア系 助教・デジタルネイチャーグループ主宰)
「われわれは魔法の世紀に生きている」と語る落合陽一氏。コンピュータが実世界に溢れ、リアルとバーチャルの境界が消え、虚構であったことが現実のものとなってきている今、既存のメディアやプラットフォームを超越した新たな“ものづくり”に挑む、まさに現代の“魔法使い”。異端の代表とも言える彼の言葉には、さまざまな大いなるヒントが隠れている。

「虚構が喪失していく今、デジタルか非デジタルかなんて関係ない。もう世の中は“計算機自然”、デジタルネイチャーなんです」。

「人間に関わる制約を一度リセットしてやると、新しいものがどんどん出てくる」。

「デザインが“融けて”きたのではないかと感じることがあります」。

特集 異端に学べ
異端とは、正統から外れていること、既成概念にとらわれず、固定観念の枠にはまらないということ。そうした人たちのこと。他と違うことを全く気にすることなく、自ら道を切り開き突き進む。そんな人々がイノベーションを起こし、世界を変えていく(変えてきた)。「突然変異」と言い換えてもいいかもしれない。進化には突然変異が必要不可欠。自ら工夫し、クリエイティブに突き進んだ結果、異端と呼ばれる人もいる。彼らはまさに創造性の塊。本特集では、そうした異端の人々に焦点を当て、その力とマインドに触れ、われわれ自身も異端たらんことを目指す。

田子 學&杉本雅明(AgIC取締役)「今こと、“異端”が世の中を変える」

きゅんくん(ロボティクスファッションクリエイター、メカエンジニア)「機能性とは違う理油でメカを身に着けてほしい」

マーカス・クレスラー&ヴィンセント・ツィマー(カイロン・オープン・ハイヤー・エデュケーション)『難民を救うのではなく、人材を育てるシステムを」

EBM(T) ナイル・ケティング&松本望睦「シームレスな世界で、エコロジーを持った作品を見せていきたい」

ラース・アイディンガー(俳優)「役者と観客の既存の関係を破ることで生まれる未知の何か。唯一無二の雰囲気。そのカオス的瞬間のテンションが演劇のクオリティとなる」

平野友康(ピッコロ コ・ファウンダー/企画統括責任者)「永遠に未完のものを、地球のみんなとつくる」

ドナルド・イングバー(ハーバード大学 ヴィース生物学適用工学インスティテュート 初代所長)「世界をより良いものにし得る。これも1つのデザインなのです」

福原志保(バイオアーティスト)「誰もができない、ダメだという、でもそこに可能性がある」

アンソニー・ダンとフィオナ・レイビー「A:Bではなく、AとB、さらにC、D、E……とデザインの新たな次元が続くように」

オピニオン 松浦弥太郎(『くらしのきほん』編集長、文筆家)
日本の古書店シーンを変える一軒となった「エム&カンパニーブックセラーズ」、そして2002年の「カウブックス」オープンを皮切りに、松浦弥太郎さんは書籍商、文筆家、編集者とさまざまな顔を見せてきた。9年間務めた『暮しの手帖』編集長を辞し、料理レシピサイトを運営するクックパッドへの移籍も記憶に新しいところだ。その手腕はいうまでもなく、選択眼の確かさやライフスタイルに共感する人も少なくない。多彩な魅力を持つ松浦さんの芯は何でできているか、彼自身の「きほん」について聞いた。

トピックス 揺るぎない個性を貫く3組のクリエイター
トレンドとは一線を画し、独自の感性をものづくりの隅々まで貫くクリエイターたちがいる。自らつくる場所を求め、手を動かし、伝えるまでを手がけることで、より純度の高いオリジナリティを追求する彼らの、ストイックとも言えるデザインへの態度とその手法を紹介する。
toolbox(ツールボックス)、ひがし ちか、居相大輝

トピックス 建築家チームdot architectsの、場を起こす方法
建築設計事務所でありながら、建物の設計のみならず施工や運営も手がけるdot architects。最近は「神社」「船」といった現代建築離れした作品を手がけ、建築の常識を軽やかに打ち破る。独特の創作スタイルがどのように育まれ、建築をどう変革しようとしているのか。彼らの拠点「コーポ北加賀屋」を訪ねた。

トピックス  デザイン、心理学、認知科学の接点 千葉大学発ベンチャーと島津アドコムの実例から
感性から生まれる美しさだけでなく、プロダクトやサービスがどうしてそのデザインになるのかという「証拠(エビデンス)」までが求められる現代。20数年前に始まったデザイン心理学の研究は、最新の計測機器と出会ってニューロマーケティングや新しいデザイン領域へと進んでいる。千葉大学の日比野治雄研究室を訪ね、学術研究の利用事例から最新の業界動向までを聞いた。

トピックス 米シリコンバレー、ウィプソー 「対象の中に隠れた能力を見出せ」
シリコンバレーでデザインが今ほど注目を集めたことは、これまでなかっただろう。スマートフォンのアプリから始まって、テクノロジー企業が開発する消費者向けハードウェア製品、これからますます増えるIoTまで、デジタルテクノロジーが機能そのものになるにつれて、デザインが直接的に製品のあり方を左右するようになっている。そのシリコンバレーで、長年にわたってデザインを行ってきたデザイン会社、ウィプソーを訪ねた。

その他連載
ザ・プロトタイプ 三菱電機「無線監視カメラ」
まばたきの記憶 「価値を計るカウンター」 文・スケッチ・写真/鈴木康広
本づくし・書評 長屋明浩/内田まほろ
フロム・ザ・ワールド 台北/香港/ケルン/パリ
クリエイターズワーク&ソウル ジェイミー・ヤン/yonanp ほか

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