佐藤健寿さんらが参加
「こたつ会議 8回目」レポート

みなさん、こんにちは。毎日の口癖が「お腹すいた」と「暑い」に固定されているおきょんピーです。日差しの強い日が続きますが、熱中症にならないよう、水分・塩分をこまめに補給し、健やかな夏をお過ごしください。紫外線対策もお忘れなく。

さて、今回は、7月9日にナレッジキャピタルで開催された「こたつ会議 8回目」の模様をお届けします。あれ? でも何かおかしいと思いませんか。 「この時期にこたつ? 暑くない?」と驚かれているみなさん、こたつ会議の「こたつ」は、物理的に気温を上げる措置ではありません。「熱く」なるのは間違いないのですが……。じゃあいったいなんなのか。ご説明させていただきます。

ナレッジキャピタル名物の「こたつ会議」とは、ナレッジキャピタルのコアバリューである「OMOSIROI」を探求すべく、さまざまなスペシャリストをたちが、こたつを囲んで語り合う新しいかたちのトークショーです。対談やトークセッション、パネルディスカッションといえば、観客の前でゲストが横並びになって話をするのが一般的なスタイルだと思いますが、ゲストがこたつを囲んで話をするというところが、他のトークイベントとは決定的に異なる点です。「こたつ」というプラットホームを用いて、観客を含む参加者全員が一体となって、つくっていくのがこたつ会議なのです。毎回ご好評いただき、このたび8回目を迎えました。

今回は、「深感覚」をテーマに未知なる世界の「OMOSIROI」についてトークを展開。また、ヨガや阿波おどりなど来場者参加型の無料プログラムも実施。世代を越えて1日中楽しめるOMOSIROI体験をお届けしました。

こたつ会議では、北海道テレビの人気番組「水曜どうでしょう」のエグゼクティブ・ディレクター、藤村忠寿さんを亭主に迎え、年間の4分の1はインドに滞在するというヨーギン(ヨーガの実践者)のアムリタトシさん、TBS系テレビ番組「クレイジージャーニー」でお馴染みの奇界遺産フォトグラファーの佐藤健寿さん、ケニアの民族楽器「ニャティティ」の世界初の女性奏者であるAnyangoさんの4名が登場。司会は、ナレッジサロンで毎週木曜日開催の「木曜サロン」に以前ご登壇いただいた、京大法学部卒の落語家、桂 福丸さん。

巨大なこたつのぐるりには畳が敷き詰められています。参加いただく皆さんには、靴を脱いでお待ちいただき、定刻の14時にスタート。最初のプログラムは「ゲストインタビュー 1 アムリタトシ氏」。インタビュアーは桂 福丸さん。アムリタさんのお名前は、ヒンディー語由来で、「ア」は否定、「ムリタ」は死で、「アムリタ」で「不死」「不滅」といった意味を持っているそうです。アムリタさんはインドでヨーガに出会い、その後京都大学で2年間インド哲学を勉強されていました。落語家とヨーギン(ヨーガの実践者)、全く共通点がなさそうなおふたりですが、ともに京都大学出身という共通点がありました。

そして、アムリタさんによる「本場インドのヨーガの教えとワークショップ」です。生まれてきた目的、人生においての本当の幸せの意味としてインドで教え継がれる、知識体ヴェーダ。その真実を理解するための手段でありライフスタイルが、本来ヨーガと呼ばれています。わたしも参加しました。

アムリタさんのインストラクションに沿ってヨーガが進められていきます。ポーズの指示をしながら、ヨーガの教えやヨーガに対する知識を話ししてくださいます。アムリタさんの声は、力強さの中に優しさがあり、身体に染み渡りました。ポーズを取りながら天井を見上げていると、周囲の喧噪も全く気にならず、内なる自分に目を向け、集中することができます。アムリタさんは「自分を味わう」と表現されていました。

これは「戦士のポーズ」。腕をまっすぐ伸ばし、自分の指先の方向に顔をしっかり向けます。意思の強さを感じる凛々しいポーズです。

これは「下向きの犬のポーズ」。ヨーガをしたことがある人なら、絶対にやったことがあるというのがこれ。総勢100名でポーズを取る光景は圧巻でした。約45分の体験型ワークショップでしたが、時間が短く感じられ、とても清々しい気持ちになりました。

続いて、Anyango(アニャンゴ)さんのインタビューとニャティティ演奏会。Anyangoさんはアフリカの音楽に魅了され、単身ケニア奥地の村で修業し、現地でも限られた男性だけに演奏が許されているニャティティの世界初の女性奏者となった人です。日本国内だけでなく、アフリカ、ヨーロッパなどでも広く演奏活動を行っており、日本ケニア文化親善大使も務めていらっしゃいます。お名前の「Anyango」はルオ語で「午前中に生まれた女の子」という意味。そのお名前にぴったりな晴れやかで素敵な笑顔を見せてくれました。ナレッジプラザの吹き抜けを伝い、Anyangoさんの高らかな歌声、繊細でどこか懐かしい8本弦の音、リズミカルに足で刻まれるガラという鉄鈴の音が響き渡りました。

3つ目のプログラムは佐藤健寿さんのゲストインタビュー。佐藤さんは世界各地の“奇妙なもの”を対象に、博物学的・美学的視点から撮影・執筆をされています。写真集『奇界遺産』はベストセラーになりました。TBS系テレビ番組「クレイジージャーニー」をはじめ、ラジオ・雑誌への出演も多数。今回はトリップパワースポット「巨大奇界写真展示」として、パプアニューギニアのアサロ族、ベトナムのスィ・ティエン公園の大型パネルが展示されていました。世界のあちこちでさまざまな視点からOMOSIROIと思える写真を撮っている佐藤さんですが、「自分では視点を変えている意識がない」とのこと。佐藤さん自身がOMOSIROIからこそのコメントに唸りました。

いよいよ、メインイベント「こたつ会議 8回目」がスタート。亭主の藤村忠寿さんはビールを持って登場されました。なにやら、もうすでにOMOSIROI予感がしていたのは私だけではないはず。藤村さんを中心に、ゲストに次々に話題が振られていきます。みなさん強烈なOMOSIROI個性の持ち主ですが、それぞれに芯を持っているので、お互いに認め合っている様子がとてもかっこよかったです。藤村さんは世界中を旅する番組を、アムリタさんはインドでヨーガを、佐藤さんは世界中で写真を、Anyangoさんはケニアで民族楽器を…と、みなさんあちこちを旅する、いや、旅をせざるを得ない人たちなんだ、気付けば勝手に身体が動いてしまうのだと思いました。「旅行って人に連れられて行くもんじゃないんですよ」という藤村さんの言葉が心に残っています。

アムリタさんによれば、インドは点と点が散らばっているかのような「混沌」と見せかけて、ヨーガなどを用い、普遍的にさまざまなことを理解しているとのこと。今回のこたつ会議もみんなバラバラのように見えますが、実はそこにはものすごく心地良い秩序があったのかもしれません。

そして、こたつ会議を締めくくるのは、「踊って楽しい! 見て楽しい! サイレント阿波おどり!」。「無音空間で阿波おどりを踊ってみよう!」ということで、ワイヤレス・ヘッドフォンをつけて阿波おどりを踊るのです。はじめに、神戸楠公連さんにお手本を見せていただきました。

わたしたちも一緒に楽しく踊らせていただき、こたつ会議もお開き。ご来場いただいたみなさま、この記事を読んでくださったみなさま、どうもありがとうございました。次回のこたつ会議も乞うご期待! わたしたちコミュニケーターは、いつでもナレッジキャピタルにてみなさまをお待ちしております。(文/コミュニケーター おきょんピー)

この連載は、ナレッジキャピタルのコミュニケーターの皆さんに、ナレッジキャピタルとその周辺についてのさまざまな話題を提供していただきます。