「ルーヴル美術館特別展 LOUVRE No.9 ~漫画、9番目の芸術~」をご紹介

はじめまして! ナレッジキャピタルコミュニケーターのわらびーです。4月からコミュニケーターとして日々奮闘しております。今回は、漫画好きさん必見! ナレッジキャピタル イベントラボで開催中の「ルーヴル美術館特別展 LOUVRE No.9 ~漫画、9番目の芸術~」をご紹介します。

この展覧会は、フランスにおいて「第9の芸術」として評価されている「漫画(=バンド・デシネ)」をテーマにした、ルーヴル美術館監修の特別展です。総勢16名の漫画家がそれぞれの独特な世界観を描き出した16通りのルーヴル美術館を堪能できる展覧会になっています。ちなみに、1番から8番までは、順に「建築」「彫刻」「絵画」「音楽」「文学(詩)」「演劇」「映画」「メディア芸術」となっているそうです。

今回は、『ワンピース』や『進撃の巨人』の声優として活躍されている神谷浩史さんによるガイドを聞きながら回ってきました。作品を的確に解説することはもちろん、エンターテイメント性がすごい! 神谷さんの軽快で楽しいガイドを聞きながら回ると、よりいっそうルーヴルの世界に入り込んで楽しめます。

会場は大きく3章に分かれており、「第1章 The Great LOUVRE ~偉大なるルーヴル美術館~」「第2章 Welcome to a Parallel World ~ようこそ、異次元の世界へ~」「第3章 Beyond Time and Space ~時空を超えて~」となっています。会場に入ると、まず本場ルーヴル美術館でも絶大な人気を誇る「サモトラケのニケ」が迎えてくれます。数々の著名な漫画家の作品に囲まれているニケ像にしばし見惚れてしまいました。ニケの強烈な印象を心に残しつつ、私がお薦めしたい作品ベスト3をご紹介します。

まず1つ目の作品は、「第2章 Welcome to a Parallel World ~ようこそ、異次元の世界へ~」に展示されている、松本大洋作の『ルーヴルの猫』。この作品は、ルーヴルに棲む猫たちの密かな世界とその奥に隠された秘密を描いたものなのですが、何といっても松本大洋さんの世界観で描かれたルーヴルが繊細かつ緻密で素晴らしい。ストーリーももちろん面白いのですが、猫や人間の何とも言えない表情に吸い込まれていくこと間違いなしです。会場には下絵も展示されているので、合わせて見るとこの作品がどのようにでき上がっていったかがわかり、より楽しめると思います。

2つ目の作品は、「第3章 Beyond Time and Space ~時空を超えて~」に展示されている、坂本眞一作の『王妃アントワネット、モナリザに逢う』。なかでも私がいちばん引き込まれたのが、実際に作者の坂本さんが、自らの手に血糊のような真っ赤な絵の具をつけ、完成させたというモナリザ。イラストの上から絵の具を重ねているところや、絵の具が飛び散っているところに臨場感があり、ブースでもひときわ目立っています。一通り漫画を読み終わった後に見るとまた違った見え方のする作品なので、要チェックですよ。

そして、最後の3つ目は、こちらも「第3章 Beyond Time and Space ~時空を超えて~」からニコラ・ド・クレシー作の『氷河期』。この話のブースには、全体に氷の装飾が施されていて、読んだことのない人にも一目見てどういう話なのかわかるところがお気に入りです。ストーリーは未来のパリを舞台にしていて、新しい角度からのルーヴルを感じることができます。この作品は、イベントラボの上の1階にあるカフェラボにも置いてありますので、お茶を飲みながらじっくり読んでみてもいいですね。

以上、私の選ぶベスト3でした。漫画家ならではの視点で見た「ルーヴル」が表現されていて、「何時間あっても足りない!」と思うほどの見応えと面白さでした。芸術に詳しくない人にもわかりやすい構成と、普段読んでいる漫画とは一味違った漫画表現の世界が広がっていました。本場のルーヴルに行って1つずつ確かめてみたくなる、そんな展覧会でした。

会場には、作品や章に合わせた写真の撮れるフォトブースやフォトロケーションが設置されています。コミュニケーターの池ちゃんを撮ってみました。「ルーヴル美術館特別展 LOUVRE No.9 ~漫画、9番目の芸術~」は2017年1月29日(日)まで開催しています。皆さんもぜひお越しください。(文/コミュニケーター わらびー)

この連載は、ナレッジキャピタルのコミュニケーターの皆さんに、ナレッジキャピタルとその周辺についてのさまざまな話題を提供していただきます。