ちょっとしたことで上手くいく!
問屋の気づき(梱包材編)

▲梱包剤にイラストを描いて送ってくれた、郡司製陶所さん。

陶器や硝子などを扱う問屋をしていると、常に「梱包」がつきまとう。今回は、梱包から気づいたことの小話をお話ししたい。
 
まずは段ボールについて。梱包時間を考えると、予めさまざまな大きさを用意しておくのが一番だが、場所とお金の節約、資源の再利用、破棄のことまで考えると、受け取った荷物の段ボールを常に再利用することにしている。

だが、送られてくる段ボールの大きさはさまざま。大は小を兼ねるというが、小さいものを送るときに、大きすぎると持て余す。配送の破損を防ぐ第一原則は、隙間がないこと。足りないよりは余るほうが良いには良いが、帯に短し襷に長し、というサイズしかないと、箱をつくり直さないといけない。

一旦、全部ガムテープを外し、商品が入れられる縦横の長さを測り、バランスを変えたりする。それでうまくいけばいいが、例えば、30㎝四方のものを送るのに、60㎝四方の段ボールしかない場合は、縦横高さを全部詰めるという大改造になる。

そもそも、この段ボールの大改造に使う時間は経済的なのか、不経済なのか考え込んでしまう。流通大手は徹底的に大は小を兼ねる方式で、余ったスペースは梱包材で帳尻合わせしている。大手の利益計算の結果だろう。基本、再利用する問屋としては、自分の入れようとしたものとぴったりサイズの段ボールがあると無駄な時間も使わず、とても気分がいい。些細なことだが、梱包を常にする人なら共感してもらえるだろう、小さな幸せだ。

▲誰から来た段ボールか、もう覚えていないけれど、絵(富士山ではなく、鳥海山なんですよね。この山)が気に入って、もう何年も取って置いてある段ボール。調べたところ、こちらの段ボールでした。ぶっかき氷(3キロ×4)はいる箱のようです。

ところで、再利用は本当に良いことずくめなのか。割れ物注意、天地無用、指定日……無数のステッカーの貼ってある段ボールで出荷したところ、宅配業者さんに「使い古されすぎて、どれが今回の注意書きかわからない」と、嫌がられたことがある。あまりの使い古しは、(少々、大げさだが)作業性を落とし、荷物を丁寧に扱う気もなくなるので、結果、いいことではない。

ある展示会をしたとき、展示会場にストックする場所がないので、段ボールをそのままストック場にしようということになり、一念発起して、新品の段ボールを買った。ちょっと奮発して、箱の両脇に穴が開き、そこを手掛かりに持ち運べるタイプだ。

いつもお願いしている赤帽さんは、同じ大きさの新品のボールを見て「いやぁ、気持ちいいねぇ。きれいだし、大きさが揃っていると積みやすいし、持ち手穴があると、箱の外を持たなくていいから、箱が傷まず、滑らずに持てる。こうでなくっちゃ」と、上機嫌で作業もスムーズだった。いつも有り合わせの統一性のない箱なので、荷台に積み込む際、赤帽さんには苦労させていた。赤帽さんの喜びようをみて、新しく整ったものは人の気持ちを前向きにする、と実感した。それは部屋の整理も同じだろう。

▲「てみやげ展3」に選ばせてもらった「HARU」。色分けして在庫を管理できる。ダンボールはちなみに、赤帽さんが絶賛したもの。

次は、セロハンテープ。あるとき、販売したテープカッターが返品になったことがある。テープが入らないというのだ。コンビニなどで売られているのは、ほぼ15㎜だから、15㎜を使用する人が多いだろう。多くのテープカッターは、テープ幅+αの余裕があるのだが、返品された品は、15㎜の幅、ちょうどにつくられていた。お客様はテープ幅18㎜を使っていたらしい。その差3㎜。たかが3㎜、されど3㎜。メーカーにその旨伝えたところ、しばしの討議ののち、18㎜が入るように型がつくり直され、「テープ幅、18㎜以下」と明記されるようになった。

この3㎜の差が、梱包の際には大きい。安心感が違う。そういえば、いつも木村硝子店から仕入れているグラスの6個箱を閉じるテープの幅が太いと思い、測ってみたら、なんと24㎜だった。この24㎜に使い慣れると、15㎜は頼りないことこのうえない。

▲24mmの木村硝子店のセロハンテープ。この安心感はなかなかです。

24㎜のセロハンテープを使っている木村硝子店はガムテープも幅広だ。その幅60㎜。「用が足りる」と「安心・安全」は別次元。60㎜の安心感と、配送に耐える安全性ははなかなかのものなのだ。

▲60mmnのガムテープ。1cmの違いは大きい。

今回は、梱包に纏わるちょっとの贅沢が仕事を後押しするという些細な話だったが、次回は問屋が体験した、驚異の梱包術の実例紹介をしたいと思う。

前回のおまけ》

台湾のギャラリー小器のスタッフに街を紹介してもらいながら食べた、おいしいものいろいろ。食事は屋台が多い。屋台は汁沢山の麺だろうが、なんだろうが、持ち帰れる。屋台でお腹いっぱい食べても、300〜400円程度。

「てみやげ展3」開催中!

毎年好評のリビング・モティーフのイベント。今年は日野明子さんや人気スタイリストの方々が選ぶ定番ギフトが並びます。

会期
2017年12月27日-2018年1月31日
会場
リビング・モティーフ1F

「日野商店」@TONERICO(益子)開催!

会期
2018年1月5日(金)-14日(日)※10、11日は休廊。在廊日は5日-8日、13日、14日。
詳細
http://tonerico-museum.com