YAMAGIWAが贈る
巨匠フランク・ロイド・ライトへのオマージュ

▲今回発表された、「HOMMAGE TO FRANK LLOYD WRIGHT」の特別記念モデル。左から、坂 茂氏の「PAPER TALIESIN 、橋本夕紀夫氏の「TALIESIN-J」、groovisionsの「GRV2917」 。受注期間が2017年11月22日〜2018年12月31日までの限定販売。

20世紀を代表する建築家、フランク・ロイド・ライト。生誕150周年を迎える今年、照明メーカー、YAMAGIWAは、ライトがデザインした名作照明「タリアセン2」へのオマージュモデルを発表しました。フランク・ロイド・ライト財団と1994年からライセンス契約を結び、ライトが設計した住宅のための照明器具の復刻を手がけてきたYAMAGIWA。その開発と販売を続けてきたなかにはどんな想いがあったのか。開発担当者にお話を聞きました。

▲ペンダントライト「SUMAC」のためのリサーチ資料。フレームの金属部分とステンドグラスのガラス部分との結合に必要な技術と材料が当時の日本にはなかった。

▲ブラケット照明「ROBIE1」の開発資料。ファイル数冊にも及ぶ資料が開発チームによって大切に保管されている。

ライトの照明器具は、素材には金属・木・ガラスなどが使われ、大量生産には適さないディテールで製作されていました。YAMAGIWAの開発チームは、ライトが設計した住宅を実際に訪れ、実測・リサーチし、財団との試作の検討のため何度も渡米しました。現代の生産技術でオリジナルの特徴を損なわないよう数多くの工夫がなされたそうです。

▲フロアライト「タリアセン2」のブラックエディション。サイズ違いで3種類をラインナップ。

ライトの建築は、光によってその姿が浮かび上がるような自然の要素が取り入れられています。彼が用いた間接光などの手法は今では時代を超えたスタンダードとなっており、フロアライトの「タリアセン2」の形状にも如実に表れています。YAMAGIWAはライトのデザインの特徴をリスペクトしたうえで、現代の生活スタイルに合わせたバリエーションを企画し、財団へプレゼンテーションしていきました。

▲2017年新製品としてラインナップした、ランバーソンペンダントライト。光源はLEDランプを使用。

開発のスタート時、まだ日本にはなかった素材や技術が施されていたライトの照明器具。このプロジェクトが自社の技術向上のきっかけになったと開発担当者は話します。そしてこのフランク・ロイド・ライトシリーズの照明器具は販売開始から25年を経た現在まで、シリーズ全体としては一度も売り上げが落ちたことがないそうです。

▲「タリアセン2」(左)と「タリアセン3」。日本の生活様式を考えteサイズダウンされた。

1世紀以上経っても、現代のライフスタイルに受け入れられ、愛されるライトの照明器具。そこには恒久的な生産を可能にしようとするメーカーの誇りと自信がありました。End

取材協力 : 株式会社YAMAGIWA