ここにもスピンドルグリルのモチーフが!
ガラスによる新たな表現に出会う
東京ミッドタウン日比谷「LEXUS MEETS」。

今年の東京は6月の時点で暑い日が続いてます。強い紫外線を避けることもできて、涼しく快適な商業施設にも多くの人が詰めかける季節です。今回は「東京ミッドタウン日比谷(通称日比谷ミッドタウン)」にアイデア探索に出かけました。

東京ミッドタウン日比谷のコンセプトは「未来志向の新たな体験と価値を創造する」です。施設内に入ると内装色はエレガントな「ベージュからブラウン系」で統一されており、都会的で大人向けの店舗が多く、日比谷ならではの上質で落ち着いた雰囲気を漂わせた施設でした。

なかでも興味を惹いたのが1階のLEXUS MEETS(レクサス・ミーツ)。レクサスが提案するライフスタイルショップです。ブティック、カフェ、車両展示・試乗が一体となった「ブランド体験型店舗」は多くの人で賑わっていました。

店内はレクサスのデザインコンセプトであるスピンドルグリルをモチーフにしたものが多く展示されていましたが、そのなかで間仕切りとして使われていた「ガラス」に注目しました。このガラスは透明性が高く、スピンドル型の凸凹した形状により向こう側が屈折して見えます。凸凹のつくり出す大きな立体感がこのガラスの特徴だと言えます。ではどのようにしてスピンドル型を製作したのでしょうか。問い合わせしたところ、ガラスに熱を加えて金属型で加工する「旭ビルウォール社製、モールド合わせガラス」とのことでした。

このようなエンボスで模様をつけたガラスは一般に「型板ガラス」と呼ばれ、大正・昭和時代から住宅にも多用されており、幼き頃に我が家のキッチン戸棚で見た記憶があります。ただ当時は小柄がメインでこのような大柄はありませんでした。昨今このようなガラスを見る機会は減りましたが、レトロな魅力に目をつけた若い世代のクリエイター達が古民家リフォームやモダンなバーなどで再び採用されはじめています。

昨年、質感研究のためにガラスの種類が豊富な東京・神楽坂の「がらすらんど」を訪れました。国内外のさまざまな模様やエンボス、色付きの「型板ガラス」などを見ることができました。透明層への光の透過・屈折・干渉・反射により、物体の見え方はいろいろ変わる、ということを実際に目で確認することで「透明感や空気感」の重要性を感じました。

また単なる2次元(フラットなガラス)ではなく3次元(凸凹形状のガラス)の見え方が新鮮に映りました。素材のガラスを顔料で着色したり、光輝材を入れたり、背面に反射するモノを塗ったりとさまざまな技術を生かして「見る角度により見え方が変わる」という3次元ガラスは実に興味深いです。

最近、「混じりっけがない、透明感」といったキーワードが商品開発やデザインコンセプトでよく見られるようになりました。それに対して政治社会は不誠実なことが多く白黒がつかないグレーゾーンばかり。この鬱積した気持ちから解放されたいと願い、無意識に「純なもの、透明感のあるもの」に惹かれるのかもしれません。