建築事務所ビャルケ・インゲルス・グループが設計を担当
中国・深圳能源グループの本社ビルで新たな断熱計画案を提示

▲Photos by Laurian Ghinitoiu

多くの現代的な高層オフィスビルでは、まだなお従来のガラスカーテンウォールが使用されており、断熱性が低く、不必要な直射日光がオーバーヒートを引き起こしている。

こうした問題に、デンマークの建築事務所ビャルケ・インゲルス・グループ(Bjarke Ingels Group、BIG)は、設計を担当した深圳能源グループの本社ビル「Shenzhen International Energy Mansion」で新たな案を提示している。

そのアイデアとは、ノコギリのようなジグザグ状のカーテンウォールである。ガラスパネルと直射日光を遮断する粉体塗装仕上げのアルミニウムで構成されており、太陽光を最大30%削減する。

100万平方フィート(約93,000平米)の建築物は、2棟のタワーと、これらを結ぶ、カフェテリア、会議室、ショップが入った9階建ての連結ブロックで構成されている。BIGはまず、深圳の亜熱帯気候を考慮して、暑く湿気の多い場所で快適な作業空間を作り、同時にエネルギー消費を削減する方法を検討した。

BIGと気候エンジニアのTranssolarが開発した多角的なパッシブデザインには、折り紙のように折り畳まれた形状のファサードが取り入れられている。それは閉じた部分と開いた部分からなり、閉じた部分は直射日光を遮ることで高い断熱効果をもたらしている。

また、この折り畳まれたファサードには、Shanghai Yaohua Pilkington Glassの高い省エネ性を持つLow-e複層ガラス(IGU)を採用。形状にシンプルな変化を加えたことにより、透明なガラスを通して一方向にオープンビューを楽しむことができる。End