Zaha Hadid ArchitectsがABB・リーフ賞2018の大賞を受賞
アントワープを再解釈する港湾本部「Port House」

▲Photograph by Helene Binet

Zaha Hadid Architectsは、同事務所のプロジェクトがABB・リーフ賞20184部門で賞を獲得し、なかでも「Port House」は大賞を受賞したと発表した。

ABB・リーフ賞は、世界中の建築デザインコミュニティから100人以上が集う、建築デザインの発展を目的とする国際建築賞。

大賞を受賞したPort Houseはベルギー・アントワープに位置し、使われなくなった消防署を改装・拡張して、港湾本部にしたもの。かつては街の別々の建物にいた500人の職員が働いている。

▲Photograph by Helene Binet

アントワープ港は全長12kmにも及ぶ埠頭で、ヨーロッパのコンテナ輸送の26%を取り扱う。ヨーロッパ大陸で2番目の規模を誇り、将来的なヨーロッパの成長・拡大の受け皿となることを目指している。

▲Photograph by Tim Fisher

▲Photograph by Tim Fisher

同事務所は文化遺産コンサルタントと消防署の歴史を分析し、計画が実現しなかった塔の存在を発見。もともとの建築物の上に「浮かぶ」新たなボリュームを設置することで、既存の各ファサードを尊重しつつ、オリジナルデザインの垂直性を生み出した。この新たな増築部分はアントワープ市街の方に向いており、街が建てられた港との結びつきを示している。

▲Photograph by Tim Fisher

水に囲まれた増築部分のファサードの表面はガラス製で、波のようにうねり、街の空の移ろいゆく明暗や色調を反射する。新しい建築物に輝く外観を与えるためにカットを施した透明なボリュームは、ダイヤモンドの街として知られるアントワープを再解釈している。End

▲©︎ Zaha Hadid Architects