火星探査機 ローバー マーズ2020の着陸地が決定
生命の痕跡が含まれるサンプルの発見に期待

▲Credits: NASA/JPL/JHUAPL/MSSS/Brown University

NASAは、5年間の実験期間を終えた火星探査ローバー・マーズ2020の火星への着陸地を、Jezero Crater(ジェゼロ・クレーター)に決定したと発表した。ミッションチームと宇宙科学者グループが綿密に調査し協議した結果、60か所以上の候補地点のなかから同地に決定したという。

この探査ローバーのミッションは火星探査の次のステップとして2020年7月に開始、かつてあったと思われる居住可能な環境の痕跡や過去の微生物を探すだけでなく、岩石や土壌のサンプルを採取して火星上の貯蔵庫に保管する予定だ。

火星の赤道のすぐ北側、隕石衝突による巨大な盆地 Isidis Planitia(イシディス平原)の西端に位置するJezero Craterは、同地は火星で最も古いもののひとつで、科学的にも興味深い地形とされる。

ミッションに参加する科学者は、クレーターの幅を約28マイル(約45km)と推定。古いデルタ地帯が始まる地点で、古い時代の有機分子や、川から出た微生物の痕跡や、数十億前にクレーターに流入した堆積物が集まっていると想定している。

古代の湖・デルタ地帯から、かつての生命の痕跡が含まれる可能性が高いとされる粘土や炭酸塩など、少なくとも5種類の岩石のサンプルが多数見つかることが期待されている。さらに、大きな流域からデルタに流入した物質には、クレーターの内側と外側にあるさまざまなミネラルが含まれている可能性があるとしている。End