中国で最先端の現代アート研究機関 UCCA
海辺の砂丘に洞窟のような「UCCA Dune Art Museum」をオープン

ニューヨークと北京を拠点にする建築設計事務所 OPEN Architectureが手がけていたUCCA Dune Art Museumが竣工した。

北京にあるUCCA(Ullens Center for Contemporary Art)は、中国で最先端を行く独立系の現代アート研究機関。その一部門となる同美術館は、中国北部の渤海沿岸にある静かな海岸に位置している。

長年の風で浜辺の砂が海岸沿いの砂丘へと数メートルほどの高さに押し上げられ、低木や植物に覆われて固くなった地形だ。子どもたちが我を忘れて砂を掘る身振りに着想を得たこの美術館は、この砂丘の塊の下に掘られたもの。

「掘る」ことにより、洞窟のようにつながった暖かみのある空間、人間の居住の原型や、最も早い人間の芸術創造の場が作り出される。こうして海と砂の間に身も心も休まる隠れ家が出現。

大小さまざまなギャラリー、スタジオ、カフェなど、細胞のようにつながるスペースを設け、UCCA Dune Art Museumの豊かで多様なプログラムを展開。長く暗いトンネルと小さな受付を過ぎると、最も大きな多機能ギャラリーに到達する。そこでは空間が突然開かれ、天窓からは静かだが力強く日光が辺りを満たしてくれる。

また、開口部からは一日を通じて変化する空と海の表情を眺めることもできる。美術館の向こう側には、海に延びる長い歩道を設置する予定で、潮が引いて歩道が水面に現れると、孤独な岩のように海に浮かぶSea Art Museumに歩いて行くことができるという。2つの美術館はともに「海との対話」を形成するそうだ。End