▲Géry Parent/Flickr提供

ワシントン大学とスタンフォード大学の研究者は、ペルム紀における海洋での大量絶滅の原因が、地球温暖化により生物が酸欠で呼吸できなくなったことにあると発表した。

地球の歴史で最大の絶滅は約2億5200万年前、ペルム紀末に起こった。古代の海底岩石の化石からは多様な海洋生態系の繁栄がうかがえるが、海洋生物種のうち約96％が大量絶滅で消えてしまった。

▲James St. John/Flickr提供

これまでは、水の高酸性化、金属や硫化物による中毒、酸素不足、気温上昇など、海洋での生活を過酷にした原因が議論されてきた。

研究者は、パンゲア大陸があったペルム紀の地球の地形を用いて気候モデルを作成。シベリアでの火山噴火で温室効果ガスが充満する以前、海洋には今日のような温度と酸素レベルがあった。そこで当時の条件に合わせて、このモデルの温室効果ガスを増加させ、海洋温度を表面で摂氏10℃（華氏20℃）ほど上昇させて熱帯レベルにした。

その結果、海洋は劇的な変化を示し、約80％の酸素が喪失。海底のおよそ半分、より深いところでは、完全に無酸素状態になったという。

▲Justin Penn and Curtis Deutsch/University of Washington提供

以前の研究では、海洋の温度上昇よって動物が熱帯から離れたのだと説明してきた。この研究では、海洋が暖かくなると海洋生物の代謝が加速し、より多くの酸素を必要となることを証明したそうだ。