無人宇宙探査機ボイジャー2号が太陽圏を突破
ついにその外側にある星間空間に到達

▲Credits: NASA/JPL-Caltech

NASAは、1977年に打ち上げられた無人宇宙探査機ボイジャー2号(Voyager 2)が太陽圏(heliosphere)を抜け出し、その外側にある星間空間に到達したと発表した。

NASAは同機が2018年11月5日(月)に太陽圏の外縁を横切ったことを観測。ヘリオポーズ(Heliopause)と呼ばれるこの境界面では、熱い太陽風が冷たく凝縮した星間物質と衝突する場所とされる。

2012年にはボイジャー1号(Voyager 1)がすでにこの境界を横断しているが、今回のボイジャー2号は運用中の機器を搭載しており、星間空間に至るこの境界面の性質を初めて観測できるとしている。

同機は現在、地球から110億マイル(約180億km)強の地点を航行。ミッション担当者は新しい段階に入ってもなお同機と交信中だが、光速で送信される情報は地球に届くまでに約16.5時間かかるそうだ。太陽光が地球に到達する時間は約8分なので、その距離の大きさがわかるだろう。

なお、同機が太陽圏を脱出したとするもっとも有力な証拠は、搭載されたPlasma Science Experimentによるもの。最近まで同機の周囲の空間は、主に太陽から吹き出すプラズマ、つまり太陽圏を作り出す太陽風で満たされていた。そして11月5日、太陽風粒子の速度が急激に低下するのを観測したそうだ。End