暗闇で「見えない」物体が見えるようになる技術が開発
MITの研究者らがディープラーニングを応用

▲研究者提供

ワイングラスの小さなキズやコンタクトレンズの小さなしわは、明るい光のなかでも見つけるのは難しく、ましてや暗闇では透明なモノは形さえ見えない。しかし、マサチューセッツ工科の技術者たちは、暗闇で「見えない」物体を見る技術を開発した。

これによると、ほぼ真っ暗な状況で画像を撮影し、その画像から透明なモノを再現できたという。彼らが使用したのは「ディープニューラルネットワーク(deep neural network)」というもの。

これは、ある信号の入力を特定の信号の出力と関連づけるようにコンピュータを訓練する機械学習技術。この場合、暗くて粗い透明なモノの画像が入力、モノ自体が出力となる。

同チームは、これらのパターンの非常に粗い画像から、10,000以上の透明なガラスのようなエッチングを認識するようにコンピュータを訓練。画像は1ピクセルあたり約1光子という、非常に低い光度で撮影された。

次いで、コンピュータに訓練データにない新たな粗い画像を見せることで、暗闇で不明瞭だった透明なモノの再構成を学習することが分かった。

この結果から、非常に少ない光量で撮影した画像でも、ディープニューラルネットワークを用いれば、生体組織や細胞などの透明なモノを明瞭にできるのではないかとしている。End