ロボット工学などで応用可能な「メビウス・カライドサイクル」
沖縄科学技術大学院大学の研究チームが開発

沖縄科学技術大学院大学の研究チームは、基礎研究、合成化学、ロボット工学の分野を進展させる可能性を秘める「メビウス・カライドサイクル」を開発、発表した。

幾何学的な形状とヒンジでできたこのリング状の構造物は、内側から外側に向かって連続的に裏返すことができ、花のつぼみが繰り返し咲く姿を連想させるものだ。

開発したのは、ヨハネス・シュンケ博士とエリオット・フリード教授。7つ以上のヒンジを持つ新型のカライドサイクルで、主な課題の1つは、7つ以上のピラミッド型のピースをリング状に閉じるにはどのような条件を満たすべきか、だったという。

「従来型のカライドサイクルは6つの三角錐からできていて、ある一定の方法でしか動かすことができない」そうで、この特徴を備える類似したリング状のオブジェが作れないかと考えたとシュンケ氏は語る。

同品はその独特な特性から、新たな撹拌機やエネルギー伝達装置、ロボットアーム設計の基礎など、多様な用途への応用が期待されている。自力推進型潜水艦に応用して水のサンプル採取や海洋生物の観察をしたり、宇宙船の傘やソーラーパネルといった形状が変化するオブジェや、複数を結合して展開型の装置にも活用できると見込んでいる。End