現代の子どもは早く成熟する!?
過去100年の子どもの骨の癒着を分析

▲Photo by Harlie Raethel on Unsplash

現代に生まれた子どもは、以前よりも早く完全な成熟状態に達する骨をもつという調査結果をミズーリ大学医学部が発表した。

その期間は女児は約10カ月、男児は約7カ月だという。

Dana Duren博士が率いる研究チームは、1915年から2006年のあいだに生まれた1,000人以上の子どものX線写真を分析。手と手首の骨の画像から、骨端癒着と呼ばれる発達段階の始まりと終わりの正確な時期を確定させた。

同氏によると、骨端軟骨板が石灰化を起こして長い骨の骨端にくっつくことで骨端癒着が始まり、やがて完全に石灰化し、長い骨と密着することで終わるという。つまり癒着が終われば、骨の成長が完了したことになるのだ。

研究チームは、1915年以来の人間の成長と発達に関する世界で唯一の調査である、フェルス縦断的研究(Fels Longitudinal Study)で収集した画像を使用。そこから、1990年代に生まれた子どもの骨格は、1930年代に生まれた子どもよりも速く、より早期に、骨格の成熟に達したことがわかった。

これにより、脚の長さの違い、脊柱側弯症、成長ホルモンの使用時期などの小児整形外科の臨床治療のタイミングに直接影響が出るそうだ。End