MITの研究者チームが小型衛星用のレーザーを開発
巨大宇宙望遠鏡に"光"を供給

▲Image: Christine Daniloff, MIT

マサチューセッツ工科大学の研究者チームは、小型衛星に関する新たな研究を発表した。

同チームが開発しているのはCubeSatsと呼ばれる小型衛星で使用するレーザー通信機器。このタイプの衛星は靴箱サイズのもので、従来の宇宙船と比べてわずかなコストで宇宙に打ち上げることができる。

これは、宇宙空間に打ち上げられた宇宙望遠鏡の問題を解決するためのものだ。この衛星にはシンプルなレーザーを搭載しており、巨大宇宙望遠鏡のそばを飛行して、「ガイド星」として安定した明るい光を望遠鏡に供給するという。

巨大宇宙望遠鏡の理想としては、地上でもっとも大きな観測所のものと同じくらいの集光ミラーがあること。現在NASAが開発中のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は直径6.5m、六角形の鏡セグメントは18枚あり、さらに次世代の宇宙望遠鏡は約15m、100枚以上の鏡セグメントを有すると想定している。

課題の1つはこの鏡セグメントを安定的に保ち、太陽系以外の惑星に向けて照準を合わせること。望遠鏡の部品が少しでも影響を受けると、コロナグラフの測定値が乱れ、酸素や水、その他の惑星の特徴の測定値に乱れが出る可能性がある。

そこで、この小型衛星のレーザー光を使用することで、大きなセグメントをもつ宇宙望遠鏡の精度要求を下げることができ、時間とコストを節約し、より柔軟な望遠鏡設計が可能なるそうだ。End