バージニア工科大学の機械エンジニアチーム
3Dプリントによる圧電材料を開発

▲Photo by H. Cui of the Zheng Lab

バージニア工科大学の機械エンジニアチームは、このたび開発した新たな素材を発表した。同大学で機械工学を教えるXiaoyu ‘Rayne’ Zheng准教授が率いるチームが手がけた、3Dプリントによる圧電材料(piezoelectric materials)である。

この素材は、物質に力を加えるとその圧力に比例した分極が現れる「圧電効果」を利用したもの。現在は携帯電話からグリーティングカードまで幅広く利用されているが、同氏による素材の特長は、3Dプリントでカスタム設計することができ、あらゆる方向からの運動や衝撃やストレスを電気エネルギーに変換できることだ。

この圧電材料は元来、もろい結晶とセラミックでできており、製造工程には防塵室を必要とする。これに対して同チームは、形状やサイズが限定されないように、この素材を3Dプリントする技術を開発。

結晶本来の性質によって電荷移動が決まる従来の圧電とはちがって、この技術では、任意の圧電定数を操作・設計できるモデルを開発、3Dプリント可能、さらにユーザーが電圧反応をどんな方向にでも拡大、反転、抑制を指定・プログラムできるそうだ。

素材を活性化させて、触覚センシング、衝撃や振動のモニタリング、環境発電など、次世代のインテリジェント・インフラやスマート素材を提供することも可能としている。公式サイトでは、同氏による解説動画も公開中だ。End