西南極にあるスウェイツ氷河
底が解けて出来たとされる巨大な空洞が発見

▲スウェイツ氷河 Credits: NASA/OIB/Jeremy Harbeck

西南極にあるスウェイツ氷河(Thwaites Glacier)の底には、マンハッタンの3分の2の面積、高さ約1000フィート(約300m)もの巨大な空洞が広がっているそうだ。

これは、崩壊する氷河に関するNASAを中心とした新研究で報告された悩ましい発見の1つ。調査結果から、世界中の海面水位が気候変動に応じてどれだけ速く上昇するかを算出する際には、南極氷河の裏側を綿密に観察する必要性があるとしている。

研究者チームは、海水が流れ込んで氷河を下側から溶かしていると考え、スウェイツ氷河の底には氷と岩盤のあいだに隙間があると予想していた。しかし、新発見となる穴の大きさと急激な成長率は想像以上で、140億トンの氷が入るほどの大きさで、その氷の大部分は過去3年間に溶けたそうだ。

本研究の筆頭著者であるNASAジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)のPietro Milillo氏は、「より多くの熱と水が氷河の下に入り込んでしまうので、氷はより速く溶けてしまうでしょう」と述べている。End