マドリード北西部の住宅「Sierra House」
幅6.5mという狭い敷地の特性を活かした住宅

スペイン語の「Sierra」という言葉には、「のこぎり」と「山脈」の2つの意味があるそうだ。ロンドンの建築設計事務所 Steyn Studioが設計した「Sierra House」は、マドリードの北西部のミラシエラ(Mirasierra)とモンテカルメロ(Montecarmelo)のあいだに位置している。

この家の名前は、その独特な屋根の輪郭からつけられた。高さに制限があるために、屋根の斜面は中央に頂上を置くことができなかった。そこで、頂上を浴室の上に合わせ、ここを機械やソーラーパネルを収納するスペースとして活用。

地元の計画規則では、建築できる数にとても厳格で、それゆえに小さな差異があるものの近隣の町でも同じようなタウンハウス型の住宅群が現れることになった。

こうした課題と幅6.5mという狭い敷地から、天井の高さを最大にして室内で感じられる広さを増やし、しっかりとした横方向の構造を避け、敷地の直線的な性質に沿って奥行きを強調させた。

都市型の住宅として、一枚岩のようなトラバーチンブロックと露出した板のようなコンクリート壁のあいだに空間を作り上げた。対照的とも言える2つの材料が、お互いに補完的な役割を果たし、マドリードのはずれにあるこの地域で、コンクリートジャングルのような都会型の街と、山と石の自然が出会ったようなコントラストを生んでいる。End