Studio Tom Emersonとペルー・カトリカ大学
遺跡発掘のための共同建築プロジェクトを実施

スイス・チューリッヒに拠点を置く建築家 トム・エマーソンのStudio Tom Emersonとペルーのカトリカ大学建築・都市計画学科が2018年に共同で行った「Pachacámac: A Room for Archaeologists and Kids」は、リマにあるパチャカマック(Pachacámac)遺跡の隠された歴史を考古学者と子どもたちが一緒に発見するための構造物のデザイン・建築プロジェクトだ。

非常に壮大な遺構のある場所で、リマ郊外に位置する600ヘクタール(6,000,000平米)の土地である。日干しレンガと石の宮殿からなるコロンブス以前の城塞で、初めての定住は紀元前200年ごろ。約1300年間繁栄し、ペルーでもっとも大きく重要な建築物となった。

今回のプロジェクトの構造物は、考古学者たちが発掘現場から出土した人工物を最初に吟味し、ペルーの厳しい日差しを避け、見学者や学校の子どもたちが見物できるようにしている。

中庭の両端には、壁がサトウキビでできた出土品を保管する部屋があり、その後は永久保存のために考古学博物館に移送される。

目下、国立考古学博物館の建設が進められており、政府はその敷地をリマの都市構造のなかの新しい中心地にして、この広大な土地に元の壮大さを取り戻させることを目指している。

リマの都市、自然、文化遺産の間のバランスを回復するためには、保存の主眼を、住民にとって意味や価値を失っている単に物理的な遺跡の保護からシフトしなければならないという。遺跡に組み込まれた古代の知識や土地との関係性を明らかにし読み取れるようにすることが目標だ。End