老朽化した高速道路「Brooklyn Queens Expressway」
道路の建設で公園を生み出す、BIGの設計

1950年代にロバート・モージズ(Robert Moses)によって建設された高速道路「Brooklyn Queens Expressway(BQE)」は、60年以上にわたってニューヨークを象徴する交通インフラを担ってきた。

しかし、ブルックリンハイツ地区(Brooklyn Heights)を通る三重カンチレバー構造が腐食や老朽化をみせ始めており、道路を修復することになった。これまで示された案では、米国運輸省の規制により、道路の修復など原状復帰のみしか行われてこなかった。

そこでビャルケ・インゲルスが率いるBIGは、「BQP」という新たな設計案を公開。これは、交通量の多い車の流れに合わせながら、「BQ Expressway」を「BQ-Park」に変えるものだ。

その第一段階として、ウォーターフロントにあるファーマン・ストリート(Furman Street)やブルックリン・ブリッジ・パーク(Brooklyn Bridge Park)に沿って、シンプルなデッキ構造で覆われた道路を建設。そして、このデッキ構造を新たな緑地をつくるためのプラットフォームとし、斜面は公園などにして、ブルックリンハイツ地区とブルックリン・ブリッジ・パークを接続させる構想だ。

このデッキ構造は、南はコブル・ヒル地区(Cobble Hill)のアトランティック・アベニュー(Atlantic Avenue)まで伸びて、そこがライン状に長い公園のはじまりとなる。

シンプルな構造のアプローチと新しい道路の建設が、地域社会に多くの利益をもたらし、BQEの再生に向けた実現可能で低コストのソリューションになるとしている。End