ポルシェが作った幻のフォルクスワーゲン
独ハンブルクの博物館で復活

ポルシェといえば、フォルクスワーゲングループの自動車メーカーだが、かつてポルシェがツッフェンハウゼン工場で製造したフォルクスワーゲンの「VW 39」プロトタイプがあるそうだ。14台作られたうち、車台番号「1-00003」のモデルは現在もハンブルクの博物館に保存されている。

フェルディナント・ポルシェ(Ferdinand Porsche)が1939年にプレシリーズモデルのプロトタイプとして設計。ツッフェンハウゼン工場で製造した他のVWプロトタイプとはちがい、リアにType64エンジンを積んでいたのが特徴的だ。

このスポーツカーは、1939年にベルリン・ローマ間の初めての長距離レースで優勝するために開発され、強力なエンジンを搭載して時速145 kmという卓越した最高速度を達成。

外観については、2つに分かれたリアウィンドウから「プレッツェルビートル」と呼ばれた。製造には初めて機械が使用され、ウィングやアーチ型のボンネットはプレス加工が施された。そして、リアにはユニークな縦長の「ふくらみ」がまだ残されている。

結局、この「1-00003」は、ナチスの組織「ドイツ労働戦線」用にベルリンに運ばれたようだが、どのように使われたかは不明とのこと。その後は紆余曲折を経て、5年ほど前にHamburg Prototype Museumの創設者たちが購入。専門家の監修のもと多くは手作業で、3年がかりで復元された。「ニトロブラック(Nitro Black)」塗装仕上げで、誕生した日と同じ輝きを放っている。End