NEWS | 建築
2019.04.22 17:59
ロンドンのカムデン(Camden)に完成した「Eleanor Palmer Science Lab」は、「探究心や好奇心、世界への驚きを育む」ことを目的とした学習スペースである。珍しいものを満載した発見と実験のための場所で、子どもたちにとって「不思議の部屋」となるだろう。
建築設計事務所 AY Architectsが手がけたこのラボの生徒数は、3歳から11歳まで最大31人まで受け入れ可能で、クラス活動や放課後のクラブ活動に合わせている。また、学校のみならず、近隣のコミュニティや別の学校が使える共有施設も兼ねている。
建物は、ビクトリア朝の境界壁の裏手にあるほぼ手つかずのキャノピー構造を改装。壁や道路の騒音はあるが運動場も隣接している、こみいった場所に対応した建築だ。両方の壁には流し台、作業台、棚、ディスプレイを設け、対になった三角屋根のボリュームがメインスペースの上に広がって、日光や通気性、実験に必要な高さを確保している。
すっきりとしたフレーム、合板の裏地、家具、カラマツの外装材など、全体にわたって木材を使用しており、あふれるばかりの自然光と木の香りが体感できる。あらわしの木造構造は、建物を直感的に分解して分析してもらおうと、構造や材質を見せて子どもたちに技術をじかに教えようとする仕組みだ。
科学に関する備品の保管場所として機能するが、学校が収集したものだけでなく、子どもたちが持ちこんだ標本も飾られるそうだ。