ソフトバンクが無人航空機「HAWK30」を開発
成層圏を飛行させて通信ネットワークを提供

ソフトバンクは、米AeroVironment社との合弁会社「HAPSモバイル」を通して、HAPS(High Altitude Platform Station)事業を展開すると発表した。このHAPSとは、成層圏に飛行させた航空機などの無人機体を通信基地局のように運用し、広域のエリアに通信サービスを提供できるシステムの総称。

開発された成層圏通信プラットフォーム向け無人航空機「HAWK30(ホーク30)」は、全長約78m。ソーラーパネルを搭載した翼には10個のプロペラを備えており、平均して時速約110kmで飛行する。

雲などよりも高い高度を飛行して運用するため、ソーラーパネルで太陽光を常時受けることができるほか、1年間を通して比較的風が穏やかに吹く成層圏の特長を併せて生かすことで、数カ月の長期間を安定して飛行できる。

ソフトバンクはHAPSを活用して、山岳部や離島、発展途上国など、通信ネットワークが整っていない場所や地域に、安定したインターネット接続環境を構築するとしている。

また、現状の通信ネットワークと効率的に相互連携させることで、上空からと地上からの広域にわたるネットワークカバレッジが実現し、ドローンなどの活用につながるほか、IoTや5Gの普及にも役立てることができ、さらには大規模な自然災害発生時における救助や復旧活動への貢献も期待できるそうだ。

今後、HAPSモバイルは、各国の関係当局との調整、事業に関わる各種法令・規制などに配慮しながら、研究開発やフライトテストを実施。2023年ごろのHAWK30の量産化とサービスの提供を目指している。End