MITの「Self Assembly Lab」が海面上昇対策を発表
波のエネルギーを利用して砂を堆積させるプロジェクト

マサチューセッツ工科大学の「Self Assembly Lab」とモルディブにある組織「Invena」が共同で手がけているのは、波のエネルギーを利用して特定の場所に計画的に砂を堆積させる水中構造物を作るシステムだ。

時間の経過とともに、砂の堆積を新しい島に成長させたり、既存のビーチを再構築させたりすることがねらいで、海沿いに住むコミュニティを海面上昇から守るためのソリューションになるかもしれない。

暴風雨や海面上昇を防ぐには、防波堤を築いたり、沿岸を浚渫するなど、自然の力に対抗する方法に頼ってきた。これに対してこのプロジェクトは、自然の力を利用して、破壊よりも構築を目指すものだ。

まず、角度をつけた単純な構造の人工岩礁を海底に設置し、波の力を利用してこの岩礁のある場所に砂の堆積を促す。そして、この岩礁は季節の変化や嵐の方向に応じて位置を変えることで、自然に寄り添いながら持続可能な形で砂の地形を作り直すことができる。

2019年2月にはモルディブで最初の野外実験を行い、2020年にわたりデータを収集、生じた砂の堆積を分析する予定。まだ長期的なプロジェクトの第1フェーズだが、人口の多い沿岸部や脆弱な島を再建し安定させるために、幅広い活用法が期待される。End