サウジアラビアでハラマイン高速鉄道が開通
地域の伝統建築を採り入れた主要駅をFoster + Partnersが設計

サウジアラビアでは、2018年10月にハラマイン高速鉄道(Haramain High Speed Rail)が開通した。メッカ、メディナ、ジェッダ、キングアブドラ・エコノミックシティといった同国の主要都市を結ぶ450kmの高速鉄道だ。

これらの都市の玄関口となる4駅は、この地域の古代建築の伝統にインスパイアされたデザインで、Foster + Partnersが担当。進行方向に沿った空間の配置で、ピーク時に1時間あたり最大20,000人の乗客を受け入れ、乗客はフラットなフロアを直感的に歩くことができ、砂漠の暑さを避けて休むことができる。

コンコースレベルまで日光を届けるための小さな開口部のあるアーチ型の屋根と壁は、太陽の強烈な光を巧みに制御しつつ、穏やかで雰囲気のある明るい照明環境を演出。アーチのあいだに吊り下げられた円環状のシャンデリアは、集中した光で大きな屋根とコンコースレベルのあいだを調和させ、構造のリズムも強調する。

また、持続可能性はプロジェクトを通じた重要なテーマだ。駅舎は体感温度を下げることにフォーカスして、駅の外側からホームまで、温度は機械による冷房を使わずに次第に低くなるという。

駅の温度は28℃に保たれていて、ホームには大型ファンとミスト発生装置を設置して涼しさをキープ。ガラス張りのファサードを覆うイスラム建築の格子「マシュラビーヤ(Mashrabiyas)」は、駅から外を見ることができ、内部の温度を下げることもできるそうだ。End