人間と技術のあいだで身体がどう関わるのかを考える
スイッチの連作「begripa/ begreifen / to grasp」

デザイナー 原研哉はかつて、今日の情報社会の環境に関して「メッセージと同じくらいマッサージを必要とする私たちの身体では、何をすべきかわからなくなってしまう」という趣旨のことを書いたそうだ。

この言葉に触発されて、ドイツ・ケルンでデザインを学ぶPia-Marie Stuteは、「モノを握る」と「理解する」という2つの意味をもつ「begripa/ begreifen / to grasp(つかむ)」を題名にしたスイッチの連作を公開した。

一連の作品では、さまざまな形のスイッチを押したり、なでたり、ひっくり返したり、曲げたりすることで、ライトがついたり消えたりするのだ。この作品群では、人間と技術のあいだの媒介に新しい意味を見出すために、両者の関係性における身体の関わりについて考えたという。

今日のテクノロジー主導の社会における効率化では、美しさが大きな存在となっている。それとは対照的な、愛嬌のある人工物とは何かということを考察するものだ。これは産業における美しさというコンセプトに挑戦するものなのだ。End