NEWS | 建築
2019.09.10 13:17
東京・中央区を走る昭和通りから路地に入り、約2.7mが接道している旗竿地にテナントビルが完成した。設計を手がけたのは、照内創が代表を務めるSO&CO.。
銀座という街に埋もれるように3年間放置されていた敷地で、どの方向からも高さのある建物が敷地ぎりぎりまで建っている。上を見上げるときれいなL型の空が見え、路地に入っていく感覚と空からの光を大切にしたいと思ったという。
足場を設置できる最小寸法を確保しながらアウトラインを描き、4階まで積み上げ、1階フロント上部に大きな吹抜けを設けることで容積率ぎりぎりの床面積を確保した。旗部分に少し大きめのボリュームと竿部分に細長いボリュームを配置し、各階の明るさの違いも含めた環境の異なる場を用意。
階段室は移動だけの空間ではなく、各室へ光をもたらし、商品の展示や各室が溢れ出すもう一つの場であると考えた。1階から上階にゆっくりと光を辿りながら登っていくと、トップライトから空が見え、前面建物のない屋上へ辿り着く。
銀座の地区計画による道路斜線の緩和を用いるために、建物を道路境界から500mmセットバックし、1階バック部を物販店舗と設定。
鉄骨階段と階段室の大きなガラス面は、RCの2つのボリュームに対してXY方向にルーズ穴を設けたエキスパンションジョイントとし、構造的に縁を切っている。さらにフロント部を小さな平面形とし、カウンターウエイトの1.2mのマットスラブと、高さ2.4mのパラペットによって、この1:7.7という塔状比が実現している。