ベルリンの老舗デパート「カーデーヴェー」がリニューアル
OMAが異なる表情をもつ4つの空間を演出

▲© OMA

ベルリンにある1907年創業の「カーデーヴェー(Kaufhaus des Westens、KaDeWe)」は、第二次世界大戦による破壊を経て、1950年代に戦後復興と経済成長の象徴として復活するなど、ドイツの現代史を映す老舗デパートである。

しかし、グローバル経済へのシフトが加速し、デジタル革命による課題に直面して、カーデーヴェーのモデルは時代遅れになってしまった。そこで、既存の小売モデルからの転換を図るプロジェクトがスタート。

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建築設計事務所 OMAによるデザインは、クラシカル、実験的、若者向け、全般的など、さまざまな顧客にフォーカスし、建築やショップに違いをつけて4つのパートに区分することを目指した。

各パートは別の通りから入れるようにし、それぞれ中央にメインアトリウムを作って、その上は吹き抜けとした。さらに、それぞれの吹き抜けは異なる空間体験が楽しめるようにし、9階建ての建物全体を通じて吹き抜けは広がりや形状を変化させて、似たようなフロアができることを避けたという。

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また、構成を十字型にして、スペースの使用や循環システム、各パート間の移動、ブランドとスペースの関係を調整することで、各フロアにおける個々のパートの存在感を強調。

既存の丸天井の屋上レストランは改装して、既存の建物の輪郭から延びるコンパクトなガラス張りの空間とした。一番上のエスカレーターを登りきると、ベルリンの広大な眺めが広がる。屋上のオープンエアの庭園は、野外イベントに使われるだけでなく、カーデーヴェーのフードラボラトリーにもなるそうだ。End

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