建築スタジオdmvAが改装したベルギーの「House of Lorraine」
白を基調とした4種類のファサードで通りとのリズムを図る

ベルギー・メヘレン(Mechelen)にある「House of Lorraine」は、数年前までは荒れた、付近でも評判の悪い建物だったそうだ。

そこで建築スタジオ dmvAは、通りの角にあるこの家を改装して、近隣の市場や広場を活性化するプロジェクトに取り組んだ。歴史あるこの建物を尊重し、これを街のなかに組み込み、上質の暮らしを提供することを目指した。

建築は、大きくてモノリシックなものをひとつ作るのではなく、元のファサードのリズムと形状を維持。その結果、住居部分は小さく垂直的になったが、通りのリズムを守ることができた。屋内エリアはきちっと整えるよりも、住民にニーズに応じて部屋を作る柔軟性を持たせている。

そして、メヘレン市はかつての白壁の回復を求めたそうで、ひとつめはアルミニウムのスラットで、2つめは十字パターンのプレキャストコンクリートで仕上げることで、軽やかで開放的、なおかつプライバシーも確保したファサードが生まれた。3つめのファサードはガラス張りで、1階は店舗として利用が可能。4つめは漆喰とした。

また、これまで屋内には入らなかった光が、建物内部に通路を作ることで、大量に差し込むようになった。その突き当りには、垂直式の庭も設けた。エキスパンドメタルを敷いたプライベートテラスは、この通路の上に浮かぶに配置。近隣の聖ロンバウツ教会の塔もそこから眺めることができるそうだ。End

▲Photography:Sergio Pirrone