中国・成都に登場したフィッシュ&チップス店「SCOTTS」
イギリスの伝統的なレストランを3Dスキャンして再解釈

▲©️Unknown Works

ロンドンと香港をベースとするデザインスタジオ Unknown Worksが中国・成都で手がけた「SCOTTS」は、イギリス各地のフィッシュ&チップス・レストランを3Dスキャンし、デジタル的に複製した、展開式のファサードをもつコンセプトレストランだ。

2015年に習近平がヨークにあるフィッシュ&チップス・レストラン「Scotts」を訪れたことから、世界中からこのレストランに人が集まり、中国で初めてとなるこのタイプのレストランが出店することになったそうだ。

▲©️Unknown Works

今回のプロジェクトは33平米の小さなレストランで、同市中心部の高級ショッピング街・太古里にオープン。イートインスペースは限られているが、外観は目立つものにするために、ファサードを重視。来店者のアクティブなスペースにもなり、レストラン全体のコンセプトも表現するファサードを目指した。

このファサードには、アラバスターを使った白いガラス強化プラスチック(GRP)を採用。各パネルの中央部分はテーブルになり、フレーム越しに向かいの人の姿が見える。店内のキッチンはカウンターを設けて、準備から調理、包装まで流れ作業ができるようになっている。

中国向けにイギリスの伝統的なフィッシュ&チップスを再解釈した初めての試みで、コピーや模倣品を意味する「山寨(さんさい)」のコンセプトを取り入れつつ、店舗の外観を通じて、現代の中国とイギリスのあいだでどんな文化交流や対話、商売ができるのか、議論を促している。End