NEWS | 建築
2019.11.26 14:42
香港のウォーターフロントにある複合施設「K11 Musea」のメインエントランス前に登場した「KUBE」は、無数の高層ビルやラグジュアリーなショップのなかに生まれたインスタレーションだ。
地元の買物客や通行人、あるいは海外からの旅行客が出会いやハプニングを求めて立ち寄り、香港の街を体験できる、そんな個性的で親しみのある場所となるものである。
OMAが手がけたコンパクトなゴールドの建築物は、キオスクや屋外ベンチエリア、イベントスペース、さらには地元のコーヒー店が出店するなど、さまざまな機能をもっている。アルマイトで仕上げることで、さまざまな質の光が反射して色が変わり、夜明けと夕暮れ、昼と夜にはユニークな光景を提供してくれる。
キオスクの隣にある石造りの立方体も重要な要素で、屋外ベンチやテーブルとして使うことで来場者のつながりが強くなるように配置。コーヒーブレイクのために座ったり、そこから港の景色を楽しんだりしているうちに、自然と会話が生まれるのだ。
特別なイベントがあるときには、香港を象徴するビクトリア・ハーバーから見える巨大な赤いバルーンも登場。来場者がひとつ屋根の下に入れる「都会のキャノピー」となり、出会いの場となるのである。
規模は小さくてもシンプルな形状でハプニングを呼び起こすKUBEは、たんなるスペクタクルではなく、経験型の都会のランドマークとなるだろう。