コロンビア大学を中心としたプロジェクト「GRID3」
人道支援に向けて国勢調査ができない地理空間データを作成

私たちがニュースで見聞きする世界の国々のなかには、政治の不安定や宗教の対立、あるいは戦争によって、どこにどれぐらいの人が住んでいるかといったデータがない地域がある。国勢調査ができず、人口の変動が把握できていない場所が数多く存在するのだ。

こうした場所で問題となるのは、人道支援が的確に行えるのかということだ。たとえば、地図に載っていなくてもたくさんの人が住んでいる町や村があるとすれば、どうやって物資を届けたり、医療や教育、開発をサポートしたりできるのだろうか。

この問題を解決するために、米コロンビア大学を中心としたプロジェクト「GRID3」(Geo-Referenced Infrastructure and Demographic Data for Development)が立ち上げられた。政府、国連、学界、民間の専門家を結集し、各国の能力と開発ニーズにもとづいて、より実用性の高い空間データソリューションを設計することがねらいだ。

各国と連携して、人口、居住地、インフラ、行政区画をまとめた地理空間データを作成。既存のデータをアップデートしたり、欠落したデータを埋めたりして、将来の開発に向けて安定的で実用的、信頼性のあるデータ基盤を構築するするのだ。

このプロジェクトでは、最高レベルの解像度と最新の衛星画像、ダイナミックモデリング、最新の科学的な手法、能力強化サービスを組み合わせて、国全体で地理空間データの持続可能な利用を目指している。End