ESAが世界初の「バイオマス地図」を発表
世界の森林に蓄積されたCO2の変化を数値化

ESA(欧州宇宙機関)は、マドリードで開催中のCOP25におけるESAの気候変動イニシアチブで「バイオマス地図」を発表した。世界の森林や灌木地にバイオマスとして蓄積された炭素の変化を数値化する、世界初の地図だという。

この地図では、複数の地球観測衛星を通じて2017年から2018年にかけて得た光学データ、LIDAR データ、レーダーデータを使用。さらに、EUとESAの地球観測衛星「Sentinel-1」や、JAXAの陸域観測技術衛星「だいち」の情報も加味した。

地図を作成したリサーチプロジェクトチームのRichard Lucasは、「森林における炭素の多くは湿潤熱帯地域の熱帯雨林に蓄積されていますが、新しい地図では、その他のバイオーム(生物群系)、特に熱帯の乾燥地域、亜熱帯地域、冷温帯地域にもバイオマスが広く分布していることがわかりました」とコメント。

同氏によれば、こうしたバイオームはいずれも、人間の活動にともなってかつてない変化に晒され、気候変動で悪化しているそうで、森林のCO2蓄積量を測ったり、その変化を把握することは、未来を長期にわたって確実なものにし、気候変動に対処するためには重要なステップだそうだ。

同チームでは今後、2018年から2019年にかけてのバイオマス地図を作成し、年ごとの変化を数値化することにしている。End