nendoが手がけた企業内「IoTセンター」の内装デザイン
デジタルとリアルを融合させるIoTの未来を表現

▲Photographer : Takumi Ota

外資系プロフェッショナルファームの東京支社内に新設された「IoTセンター」のインテリアデザインを、佐藤オオキが率いるデザインオフィス nendoが手がけた。

新しいデジタル技術などを紹介するための3つのギャラリーとラウンジエリア、各種セミナーやイベントなどが行える多目的スペースに加え、ミーティングルームやワークスペースといったオフィス機能も備えている。

デジタルの世界では、あらゆる情報が「0」と「1」の集合体に変換され、格納や再現といった処理が行われる。そこで、インテリアにも「0」と「1」の集合体を凹凸状にした透明ガラスを使い、空間を間仕切ることにしたという。

まず、強度確保のために2層の合わせガラスとし、間に4層のフィルムを挟み込むことで飛散防止効果を持たせた。凹凸の加工は、板ガラスをステンレス製の金型の上に乗せ、熱を加えることでガラスが柔らかくなり、自重のたわみで成形。金型の小口の厚みや形状は、ガラスとの接点が最も少なくなるように、エッジを研磨して尖らせた3mm厚のものが採用された。

▲Photographer : Takumi Ota

▲Photographer : Takumi Ota

▲Photographer : Takumi Ota

熱処理は2枚のガラスを同時に行い、8mm厚と6mm厚という厚みの異なるものを使用することで2枚の接合面の精度を高め、気泡の侵入を最少にした。

完成した空間では、窓の外に広がる景色、展示物、植栽、そして来場者の気配などが、歪みながらレイヤー状に重なっていく。実像と虚像が心地よく溶け合っている風景を通じて、デジタルとリアルを融合させるIoTの未来を表現している。End

▲Photographer : Takumi Ota

▲Photographer : Takumi Ota

▲Photographer : Takumi Ota

▲Photographer : Takumi Ota

▲Photographer : Takumi Ota

▲Photographer : Takumi Ota

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