デザイン集団「Prototype 2030」が風力発電所をデザイン
問題を減らして人間と対話するものへ

▲Windwords

気候ソリューションをより魅力的なものに変えることを目指す国際的なデザイン集団「Prototype 2030」。そのプロジェクトのひとつとして、風力エネルギーに対する抵抗感を減らすことを提案している。

風力エネルギーは、気候変動に影響を与えず有害物質も排出しない、手頃なものだとされる。「Project Drawdown」によれば、2050年までにエネルギー部門で求められるCO2削減量全体に対して、30~50%をまかなえる絶好の気候ソリューションだという。

▲Windwords

とはいえ、火力発電所に比べると広いスペースが必要で、風景のなかでとても目立ってしまうのが難点だ。都市部には風力発電所の設置スペースがほとんどないので、田舎に集中して「産業化」されてしまったり、騒音や回転するブレードの影に悩まされたりするという懸念が、風力発電の導入を遅らせてしまう恐れがあるのだ。

そこでPrototype 2030はまず、「Windwords」なるものを考案。タワー部分にアルファベットなどのグラフィカルなデザインを施して、見る人を惹きつける象徴的なランドマークに変える計画で、風力発電所が無味乾燥ではなく、人間と対話するようなものにすることが重要だとしている。

▲Windswitch

さらに、騒音や巨大な影の問題については、「Windswitch」というアプリを使用。発電所の近隣住民はタービンからの距離もとづき利益をシェアする仕組み。アプリで常にその収益金額を確認でき、騒音や影が気になるときにはこの収益をクレジットとして使い、タービンを停止させることができるそうだ。End