発展著しい杭州の新しい陸上競技場
「Hangzhou Olympic Sports Center」が完成へ

中国・杭州では、花びらのような外観が印象的な新しい陸上競技場「Hangzhou Olympic Sports Center」の建設が進められている。

他の都市と同じく、杭州でも急激な都市の変化を経験しているという。これまで西湖の周辺を同市の中心としてきたが、産業と商業の発展により街は拡大し、中心は銭塘江の対岸にシフト。過去10年間で都市の規模は3倍となり、新しく生まれた現代的な建築群は規模においては圧倒的だが、公共スペースはまだ十分整備されていないそうだ。

そこで、建築設計事務所 NBBJCCDIと協力して、市の新しい中心業務地区の向かいにある銭塘江の川岸に、40万平米の敷地にHangzhou Sports Parkを設計。メインスタジアムは2022年に開催されるアジア競技大会に向けて施設全体の完成を目指している。

公園全体の計画は三層からなる。上の層は「スポーツ大通り」で、80,000席のメインスタジアムや10,000席のテニスコートとも接続。地上レベルでは、遊歩道や庭園、広場があり、オルタナティブスポーツやエクストリームスポーツ向けの設計された公共レクリエーション施設を結んでいる。さらに、低い場所にあるスペースや中庭は、ショップやレストラン、シネコンなどの広大な地下商業施設へといたる。

また、世界的な需要で鋼鉄の価格が上昇しており、機能性と形状にもこだわりつつ、コストを抑えるためにパラメトリック設計を活用して無駄をカット。その結果、「鳥の巣」として知られる北京国家体育場のようなアリーナに比べて、鋼鉄を67%節約することができた。End