ロシア・ペルミの新しい芸術地区のビーコンとなる
「Tchaikovsky Academic Opera and Ballet Theatre」建設へ

有名なバレエ劇場があることでも知られるロシア・ペルミに、新しい「Tchaikovsky Academic Opera and Ballet Theatre」が建設されることになった。その設計案をアメリカの建築設計事務所 wHYが公開している。

ペルミの産業史や芸術遺産を体現するようなデザインを通じて、この街に新時代の文化の活性化をもたらそうとするプロジェクトで、カマ川沿いの新興芸術地区のビーコンとなる印象的な建築を目指すという。

川と風景をともに街の文化的アイデンティティとして大胆に取り入れ、流れるようなダイナミックな空間を作り出し、都市の生活の中心に芸術と自然を据えるデザイン戦略が展開される。

街を見下ろす文化的なランドマークとなるもので、芸術のアイコンとして申し分ない特徴を備えているが、さらに既存の劇場によくある閉じた構造を一変させて、あらゆる方向に開かれた多孔的な建築とし、どこからでも街の景色を眺めることができるようにする。

建物の形状は舞踏と音楽の動きをイメージしたもので、素材のカラーはこの地域の地質や銅鉱業の遺産にヒントを得た。一般的な劇場には四角い広場がよく見られるが、ここでは有機的な曲面を使って訪れた人を建物のなかへと誘い、美しく仕上げたさまざまな要素が楽しませてくれるだろう。

建物全体に流れるような感覚を作り出すスロープや歩道は、どの季節でも屋外での散策がしやすく、こうした要素は周囲の公園にまで及ぶという。波打つような小道や段々になった景色が、人の手で作られた環境と自然の環境のあいだにつながりを生み出すそうだ。End