乾燥した環境でも育つ砂漠植物について考える
Cooking Sectionsのインスタレ―ション「Becoming Xerophile」

UAEのシャールジャで開催された「Sharjah Architecture Triennial 2019」において、ロンドンの空間デザインデュオ Cooking Sectionsが「Becoming Xerophile」というインスタレ―ションを披露した。

西洋では砂漠といえば生きもののいない空っぽの風景だと思われがちだが、Xerophileとは「少ない水でも生きることができる」といった意味の言葉だそうで、こうした水の少ない乾燥した土地でも生い茂る植物のあり方を示す作品となっている。

つまり、砂漠の植物の役割を見つめ直すことで、なにも生えない風景とされる砂漠の概念を揺るがせ、乾燥した環境のシャールジャやその他の都市で、水を引かない都市庭園の新しいモデルを構築することが目標だ。

かつての学校の屋外を舞台に、すり鉢状にした9つの砂山を築き、ここに微気候を作り出すことで、古代の栽培技術である「水を使わない水やり」を再現。学校の改修から出た地元の土や瓦礫を使い、40種類以上の砂漠植物を栽培した。これらは観賞用ではないが、砂漠で暮らす人々が何世紀にもわたって育ててきたものだ。

砂山はすり鉢状に掘ることで、日陰や深みなどが生まれ、空気に含まれる湿り気や地下水からの水分の浸出が得られるという。このすり鉢の内側と外側で樹木の状態をモニタリングして、水ストレスが低くなった場合の日射量や土壌の水分、風速の役割を考えるそうだ。End