確かな品質基準を持つ構造材「JAS構造材」
令和2年度は対象となる物件・構造材が拡大中

JAS規格を受けた確かな品質基準を持つ木材である、「JAS構造材」を利用する建築物が近年増えている。

JAS製材品は、品質・性能を明らかにして出荷された構造材。「日本農林規格等に関する法律」(JAS法)に基づき認証され、JAS工場で品質管理および格付のための検査・試験を行った製品で、さまざまな場面で安心して使うことができる。

さらに、木材は人と環境に優しい資材で、地球温暖化の主因である大気中の二酸化炭素を固定するものとして注目を集めている。柱、梁、間柱、土台、床、壁などに製材、集成材、合板、フローリングなどのいろいろな木材製品を使い、木の塀など外構部を木質化することで、環境に配慮した街づくりや安全安心な通学路づくりなどができるのだ。

そこで現在、このJAS構造材を利用する建築物の実証事業に対して、林野庁補助事業として調達費の一部への助成が行われており、その対象となる物件・構造材も拡大している。

これまでこの助成は、施主が民間で、店舗・事務所・倉庫・畜舎・旅館などの宿泊施設・サービス付き高齢者向け住宅といった産業用の建築物に限られていた。

令和2年度からは、施主が国でないものにも対象物件が広がり、地方公共団体の建てる建物も対象となった。たとえば、福祉施設・教育関連施設・診療所・病院・集合住宅も助成対象である(国立の物件、宗教施設は対象外)。

また、今回の拡大では、低層の戸建て住宅を除くすべての建築物が対象となった。戸建て住宅については4階建て以上の戸建てが対象で、4階建て未満の戸建て住宅であっても産業用の用途部分は助成対象となる。

一方、対象となるJAS構造材も拡大されている。これまで、機械等級区分構造用製材・2×4製材・CLTのみだったが、令和2年度からはこの3種に、構造用集成材(底辺75mm以上、長辺150mm以上の中断面以上のもの)と構造用LVLも加わった。

詳細は、一般社団法人 全国木材組合連合会が開設しているJAS構造材ホームページにて確認することができる。End

JAS構造材利用拡大事業
https://www.jas-kouzouzai.jp