ケンブリッジ大がオープンソースの人工呼吸器を開発
機器不足のアフリカで安価・迅速な製造を目指す

ケンブリッジ大学では、低中所得国の新型コロナウイルス感染者を治療するために、オープンソースの人工呼吸器を開発している。

同大学では2020年3月に「OVSI」(Open Ventilator System Initiative)という取り組みをスタート。開発した人工呼吸器は、アフリカ全土の臨床医やエンジニア、メーカーと協力して設計、入手しやすい部品を使うことで、アフリカでも安価で迅速に製造できるという。

そのコストは従来のデバイスのおよそ1/10だそうで、原価としては500~1,000ドル(約53,000~107,000円)が目標。

WHOは、3~6か月以内にアフリカで新型コロナウイルスの感染者が1000万人に達し、30~330万人が死亡すると予測。実際、アフリカでは人工呼吸器が1台もない国が10か国もあり、またWHOによれば、アフリカ41か国で稼働中の人工呼吸器は2,000台に満たないとしている。

プロトタイプは現在、モータースポーツのエンジニアリンググループ Prodriveが簡単に大量生産できるバージョンを開発中。OVSIのチームは、デバイスが規制をクリアできるように努力を続けているそうだ。

また、最初の人工呼吸器は、南アフリカの家電メーカー Defyと国営企業 Denelの主導で、南アフリカを拠点とする企業連合がこの5月にも納入する予定。アフリカでのパンデミック対策が急ピッチで進められている。End