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2020.05.18 15:02
マサチューセッツ工科大学の研究グループが、電子回路の実験・試作ができるブレッドボードをプロダクトに直接組み込む方法を開発した。スマートデバイスやフレキシブルな電子機器といったプロダクトのために、手早く簡単に回路の機能やユーザーインタラクションを試すことがねらいだ。
ブレッドボードは通常、規則的に穴の開いた長方形の板で、穴の多くには金属端子や接点がつけられており、さまざまな電子回路の部品を差し込んで実験や変更・交換ができるものである。
とはいえ、ブレッドボードは数十年も同じ形をしている。ウェアラブルデバイスやスマートデバイス向けの電子機器をテストするときにも、まず従来のものでテストし、これをプロトタイプに取りつけ、またブレッドボードに戻るという作業を繰り返すのだ。
そこで研究グループが開発したのは、3Dプリントされたオブジェクトにブレッドボードの構造と機能を組み込んだ「CurveBoards」というもの。表面には導電性シリコーンで満たした穴があり、電子機器をテストすることができるという。
今回開発したCurveBoardsは、ブレスレット、ウォッチ、フリスビー、ヘルメット、ヘッドフォン、ティーポット、そして柔軟でウェアラブルな電子書籍リーダーのプロトタイプ。
カスタムデザイン用の編集ソフトを使い、オブジェクトの3Dモデルを作成。ソフトはこのオブジェクト全体に均一に穴を自動で配置してくれ、接続チャネルのレイアウトも自動か手動で可能だ。あとは、非導電性シリコーンでオブジェクトを3Dプリントし、穴に導電性シリコーンを注入すれば完成となる。