Heatherwick Studioによるレジデンシャルタワー「Eden」
シンガポールの気候にインスパイアされた屋外庭園

ロンドンの建築オフィス Heatherwick Studioがシンガポール・ニュートン地区で手がけた、ユニークなレジデンシャルタワー「Eden」が2019年に竣工した。

50年前に首相のリー・クアンユーが思い描いた「庭園の街(city in a garden)」のビジョンと、この地域の緑豊かな熱帯気候にインスパイアされた建築である。前回の記事では内部の様子が公開されていなかったが、今回はその注目すべき「家の中にある庭」を紹介したい。

各アパートメントは、従来のレジデンシャルタワーにあるような四角い空間を引き離すように小さな部屋を周辺に配置し、中央には貝殻のようなデザインの広々としたバルコニーと大きなリビングスペースを設けた。

アパートメントは地上階のトロピカルガーデンの上、27mの高さからはじまり、地上18mにあるロビーからは、緑豊かなシャンデリアが上向きに伸び、ゆったりとしたプライベートの屋外庭園となる。

バルコニーは互い違いに配置することで、20種以上の植物が生い茂るダブルハイトの屋外スペースを形成。植物は静寂をもたらすとともに、シンガポールの日差しを遮り、滝が流れ落ちるように成長した緑がタワーの表情を穏やかなものにしている。

また、天然の素材やテクスチャ、丹念に作り上げたディテール、そして地域の自然の景観も組み合わせて、ユニークなアーバンライフを演出。緑豊かな木々が育つように、Edenは時間が経つにつれて成熟する設計で、通りに根を下ろし、シンガポールの空へと伸びる若木のようになるだろう。End