巣箱を作ってハチを育て、守る
イケア・イノベーションラボからプロジェクト「Bee Home」を始動


イケアが展開するイノベーションラボ「SPACE10」は、オリジナルのハチの巣箱が作れるオープンソースプロジェクト「Bee Home」を公開している。

デザイナー Tanita Kleinおよびデザインスタジオ Bakken&Bæckとの共同プロジェクトで、無料のオープンソースを使って、誰でもどこでも、地域にいる花粉媒介者=ハチを育て、世界の生物多様性を守ろうとする取り組みだ。

Bee Homeのサイト内では、巣箱をデザインしてカスタマイズし、ファイルをダウンロードすることで、自分だけのものを作ることができる。

ハチは私たちの生活に不可欠なもので、世界の種子植物の約90%が花粉媒介者となる動物に依存しているという。これは世界の食糧の約3分の1に相当するそうだ。しかし、私たちが家や街、庭を造るときに、ハチの住みかや自然の生息地を壊している。野生の花が咲く草地も、農薬や化学物質の使用、単一栽培の農業によって失われつつある。

人と地球のバランスを回復させるためには、自然環境を取り戻す必要がある。その手始めとなるのが、ハチを巣に戻すことなのだ。ただ、世界で2~3万種いるハチのなかで、よく知られている「ミツバチ」は群れで生きているが、その他多くのハチは群居しないものだそうだ。

こうしたささやかな活動をする、孤立したハチを守るのがねらいである。これらは木や地面に穴を掘って住んでおり、Bee Homeもこうした特徴を考えて設計。

材料も地元で調達できる広葉樹だけを使うように想定されている。接着剤や化学物質、釘の他の素材は使わず、リサイクルも可能。屋上やバルコニーでも手軽に始めることができるので、ぜひチェックしてみよう。End