Google Arts&Culture Labによる世界の気候データを
イメージしたアートワーク「Heartbeat of the Earth」を公開

2020年6月5日の世界環境デーに合わせて、国際的な環境条約「気候変動枠組条約」(UNFCCC)とGoogle Arts&Culture Labのレジデンシープログラムのコラボレーションによる、「気候データ」にインスパイアされた実験的アートワークシリーズ「Heartbeat of the Earth」が公開された。

アートはこれまでにさまざまな課題に取り組み、作品を通じて複雑なテーマを表現してきた。それでは、気候データというものを使い、アーティストはどのように表現するだろうか。

今回は5人のアーティストが、国連の報告書に記された調査結果や、アメリカ海洋大気庁(NOAA)や世界気象機関などのデータを駆使して、海洋生物の現象、食料消費、氷河の融解、海面の上昇といった、私たちを取り巻く気候に関する4つのインタラクティブアート作品を制作した。

デジタルビジュアルアーティストのCristina Tarquiniは、NOAAのデータをもとに「Diving into an Acidifying Ocean」という作品を手がけた。CO2レベルの上昇が海に及ぼす影響をビジュアル化したもので、まるで海のなかにいるようにサンゴの白化、貝殻や魚の消滅、クラゲの増加、溜まったゴミを見ることができる。

▲「Diving into an Acidifying Ocean」

食料生産によるCO2排出量をカラーやサイズによってビジュアル化した、データアーティストのLaurie Frickの作品は「What We Eat」では、個々人の食事がどれぐらい環境に負荷をかけているのかを分析。

▲「What We Eat」

Timo AhoPekka Niittyvirtaによる「Coastline Paradox」は、Googleストリートビューを使い、200以上の場所で2000年から2300年にかけて予想される海面上昇や移住する人の数をビジュアル化。たとえば、広島の平和公園も海に沈んでしまう様子が描かれている。

▲「Coastline Paradox」

また、写真家のFabian Oefnerが手がけた「Timelines」では、ドローンの飛行経路を長時間露光した映像を使い、過去140年にわたるスイスのローヌ氷河とトゥリフト氷河の衝撃的な後退をビジュアル化した。End

▲「Timelines」